ファーウェイの飽くなき挑戦 ——「5G」「AI」がもたらす未来

「1杯のコーヒーから宇宙エネルギーを吸収する」。
これはファーウェイCEO任正非(レン・ジェンフェイ)氏の言葉だ。形式以上に心の交わりを、知識以上に見識を重視する任氏。そんな彼が世界の著名人と自由闊達に語り合う対談企画があるのをご存知だろうか。

 公開対談「任正非とのコーヒー対談(A COFFEE WITH REN)」が今年9月26日、深セン市のファーウェイ本社で行われ、その様子はライブ配信された。第2回となる今回の対談相手は、米国人コンピュータ科学者ジェリー・カプラン(Jerry Kaplan)氏と、英国王立工学アカデミー会員ピーター・コクラン(Peter Cochrane)氏。5Gや人工知能(AI)など、新技術の開発とそれによりもたらされる影響を語り合った。以下、南方都市報の記事を、任氏の発言を軸に要約した。

左から、英国王立工学アカデミー会員ピーター・コクラン氏、コンピュータ科学者ジェリー・カプラン氏、ファーウェイ任正非CEO(Sina新浪財経より)

——5G技術ライセンスの国外譲渡に関して

 英国「エコノミスト」誌の2019年9月10日付インタビューで、任氏はファーウェイが5Gの技術やノウハウを国外企業にライセンスを付与し、ライセンス料の支払いは年払いではなく1回限りで完了させることを示した。今回の対談ではさらに、ライセンス譲渡先が全ての西側企業ではなく、米国企業の1社のみに限定されることを明らかにした。

 任氏(以下同様)「譲渡先を1社に限定して市場バランスを保つ。米国にはこの5G技術が足りないから米国企業に絞った。欧韓日にはそれぞれ独自の5Gがあり改良・開発段階だ。当社がそこへ独占使用権を米国企業に譲渡すれば、譲渡先企業は世界で当社の競争相手にも、競争を共にする戦友にもなる。

 強い競争相手を引き入れれば、当社の社員19万人の緩みを許さなくなる。だから競争相手がファーウェイを叩き潰しにかかるのは歓迎だ。心配などしてしない。譲渡の内容について、5G関連特許は公平で差別なく譲渡し、5G独自技術はソースコード、ハードウェア、CPU設計なども提供可能だ。将来的には欧日韓米の企業と新たなスタートラインに立ち、共に人類のために貢献したい」。

——国際社会が抱くファーウェイ5G技術への不信感

 「新しい事物に不信感はつきもので、時間が経てば信頼を得られる。今、欧州方面のチャンスは多い。当社に寛容的な企業は世界中にあり、私は大変満足している。短期間で万人の理解を得るなど不可能だ。当社は米国の技術やサプライヤーに依存せずに5G製品製造や設備構築を進めることができる。恨み合いなどはなく、米国企業が望むならば、当社は自社の部品生産量を減らしてでも米国企業から部品調達する。これは社会のグローバル化を維持するためでもあり、そうした社会への融合は当社の長期的な理想でもある」。

A Coffee With Renの第2回(英語)

——AIによる就業構造への影響

 「5GはAIをサポートするシステム、未来を変えるのがAIだ。AIは社会や国に新たな命題を課し、国の今後の核心部を左右し、形作り、そして大きな変化もたらす。だからAI時代では人類の教育レベル向上が求められるだろう。AIはより大きな富と高効率化を社会にもたらし、いわゆる就業問題を解決するだろう。また、多くの中小国がAI実現によって生産性を向上できる。富の生産能力が向上するほど、より多くの人にチャンスが与えられる」。

——AIと未来の社会

 「AIを国際社会全体と社会構造全体が発展するための原動力に変える必要がある。そして、技術開発は教育や人材、インフラ提供など、国の基礎能力次第で、開発がうまく進めば人類はより繁栄する。人類社会は今、新理論・新技術のブレークスルー前夜とされる。今後20~30年で学術的分野を超えて、または単一分野で大規模な新技術のブレークスルーが起こり、人類に新たなチャンスがもたらされるだろう。

【ブレークスルー】従来の常識や限界の枠を大きく打ち破り、突破すること。

 例えば、エレクトロニクスはナノプロセス時代に突入する。遺伝子技術も将来ブレークスルーを遂げ、バイオテクノロジー、ライフサイエンス、そしてナノ医療に大きな影響を与えることになる。そのような状況で電子の超精密化が進み遺伝子分野とつながると、未来の社会は我々には想像もつかないものとなるだろう。

【ナノプロセス】ナノレベルの超微小な範囲で配線を施す技術。1ナノメートルは10億分の1メートル。

 将来、我々に大きなチャンスの扉が開かれた時、世界中の科学者、エンジニア、全世界が一つになって新時代を迎え入れること、これが我々の望む姿だ。不確かな未来を案じる必要はない、新時代を勇敢に受け入れよう」。

Huawei Mate 30(ファーウェイ公式HPより)

まとめ

 2019年は5G元年だ。5G関連の商用化が相次ぎ、関連ニュースはどれも世間の大きな注目を集めている。ファーウェイのMate30シリーズは世界初の第2世代5Gスマートフォンだ。5Gモデルはいよいよ11月1日、中国国内で販売開始される。

 業界を牽引するファーウェイの今後の動向、そして国家間、メーカー間の5Gを巡る国際競争から今後も目が離せない。

<参考サイト>
http://news.southcn.com/nfdsb/content/2019-09/27/content_189108076.htm
https://video.sina.cn/finance/2019-09-26/detail-iicezueu8576378.d.html?vt=4&wm=3049_0006250379899

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