新興EC「拼多多」は取引高発表なし!その代わりに…

 アリババグループの「タオバオ(淘宝)」「Tmall(天猫)」、とその競合「JD.com(京東)」「Suning.com(蘇寧易購)」など、大手ECの取引高に話題が集中した独身の日セール「W11(双十一)」。

 現地中国では、地方住民をターゲットに共同購入システムなどで躍進が続く新興勢力「拼多多(ピンドゥオドゥオ)」の様子についても注目度が高かった。特に今回は100億元(約1500億円)のキャッシュバックを行うとあり消費者の間で話題にもなった。

ところが、セールから一夜明けた12日、Tmallの2684億元(4兆円超)を始め、各社の取引高が続々と発表される中、拼多多が発表したのは長文のメッセージのみ。「数字よりもユーザーの満足度こそが重要なのだ」と言い切った内容が、同社の理念を表しているようで非常に興味深い。

 ちなみに取引高は明らかにしていないものの、メッセージの中でW11開始から16分で自動車販売が1000台を突破したこと、これらの注文は主に三線・四線・五線都市のユーザーによるものだということ、農村部(中国では発展が遅れている場合が多い)から出荷される生鮮食品の販売スピードが220%を超えており、主に二線都市のユーザーが購入していることなど、地方経済に好影響を与えている点は強調された。

<参考>
・一線都市:北京市、上海市、広州市、深セン市
・二線都市(一部):ハルビン市、長春市、大連市、済南市、徐州市、紹興市、厦門市、福州市
・三線都市(一部):洛陽市(713万人)、桂林市(534万人)、咸陽市(436万人)、宜昌市(416万人)、吉林市(415万人)、鎮江市(319万人)、フフホト市(311万人)、大慶市(293万人)
 →一概には言えないが四線以下の都市はこれらよりも規模が小さい傾向にある。

以下は拼多多が発表したメッセージ(筆者訳)。


尊敬する友人の皆さんへ

 2019年11月11日は過ぎましたが、拼多多はW11のデータを公表していません。
私たちが最も気にしているのは、ユーザーが拼多多で安心して購入できているか、たくさんのボーナス(紅包)とキャッシュバック当選を喜んでもらえたか、だからです。

 人々は数字と盛大なものに関心を持ちますが、私たちはリアルタイムのデータ大画面さえまだ構築できていません(筆者注:アリババの派手なイベントを指しているようだ)。今も弊社は全員が商品の補充や価格比較、キャッシュバックを急いでいるところで、廊下の横断幕と飾られた花カゴもまだ片付けられていませんが、とにかくW11はもう終わりました。

 大セール翌日であっても、私たちには普通の忙しい一日です。同様に商品をそれに見合った「お得さ」で提供できなければ、W11も平凡な一日になってしまいます。
 消費者が「まつり」を作ったのであって、「まつり」が消費者を作ったのではありません。だから、私たちは数字よりもユーザーが心から「お得さ」と楽しみを感じられたかが最も気になるのです。

 この日、私たちは中国経済の粘りと力強い活力を感じました。数百万の農村にいる生産者、都市の中小商店、数万のブランド商と販売店達を見て、4.8億超の消費者に多様な商品と選択を提供できるように努めました。
 11日0時を16分過ぎたとき、自動車販売は1000台を突破、注文は主に三線・四線・五線都市からでした。農村部が販売する生鮮食品の220%超で伸びており、主に一線・二線都市のユーザーに購入していただけました。11月1日から11日まで、拼多多で販売された新型iPhoneは40万台を超えました。
 モバイルインターネットの普及と拼多多を代表とする新興ECの急速な成長は、都市と農村が等しく消費する権利の先にある「新消費」の無限のパワーを見せてくれます。

(中略)

 11月11日は終わりましたが、私たちの「100億元キャッシュバック」はまだ続きます。もしユーザーが毎日「お得さ」を感じてくれるなら、私たちの努力は価値があります。これからもご満足いただけると嬉しいです。


 中国市場を見るときに、巨大な消費力をつかむための戦略やテクノロジーばかりに目が行きがちだが、成功している企業にはこのような「顧客本位」の姿勢が徹底している点も是非とも知るべきだろう。

<参照サイト>
http://www.ebrun.com/20191112/359349.shtml?eb=hp_home_lcol_ls2
http://www.sohu.com/a/353566101_120006070

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