意外と知らない中国の魚料理(後編)

意外と知らない中国の魚料理(前編)

 国土が広いため、日本以上に地域によって食べる食材が大きく違う中国。その中で、東西南北問わず愛される魚は、多くの地域で名物料理に使われる食材だ。種類と調理法により多彩な味わいがあり、日本で食べられている魚とは全く違うものが多い。今回は、有名魚料理とその発祥地を前編・後編に分けて紹介しよう。

臭鱖魚(チョウグイユー)

臭鱖魚(チョウグイユー)

 安徽省の代表的な魚料理。「鱖魚」は日本語でケツギョと呼ばれ、中国大陸東部に生息する淡水魚である。「臭」の文字通り特徴は料理から発せられるにおい。しかし不思議なことに、口に入れると臭気は感じず、抜群のうまさがあると言われている。言い伝えによると、200年前ある魚好きの官吏に魚を届けるために偶然生まれたという。当時は人力で輸送するためケツギョの産地から官吏の家までは1週間。当然魚は腐ってしまうが、捨てるには惜しいと思った漁師が塩漬けにして持ち帰り、調理すると驚くほど美味しかったという。現在では、腐る前に木桶に塩漬けにして25度くらいの環境で十分に発酵させる製法が採られており、この不思議な美味しさを求めて安徽省を訪れる観光客も少なくない。

松鼠魚(ソンシューユー)

松鼠魚(ソンシューユー)

 江蘇省蘇州の名物魚料理。色が赤いから辛いのではと思う人もいるかもしれないが、蘇州は基本的に甘い料理が多いところ。この赤さはかかっている甘酢あんによるものだ。甘酸っぱい美味しさもさることながら、一番のポイントは身に細かく包丁を入れ、揚げることで出来上がるモコモコのリス(松鼠)のような造形だ。華やかでめでたい外見は、お正月など祝日の雰囲気にぴったり。松鼠魚の歴史も長く、文献によると、清の乾隆帝も松鼠魚を絶賛したという。現在、家庭の食卓に現れることもあるが、調理の難しさでレストランで食べることが多い。食材に用いる魚は鯉やソウギョ、ケツギョ、ウグイなどいろいろ使えるため、中国全土で流行った。使用する魚の値段により価格が違い、通常は1匹1000円から3000円台。見た目も味も豊かな一品で、まさに魅惑の中華料理だと言える。

(番外編)鱍魚水餃(ボーユースイジャオ)

 「百度百科」によると、山東省で最もよく出される餃子で、新鮮なサバのミンチに豚ひき肉、ニラを混ぜ合わせた餡を包んだ水餃子だという。また遼寧省大連でもソウルフードのように愛されており、北の方の港町の名物餃子のようだ。レストランで食べるものというよりは家庭で食されるのが一般的で、「おふくろの味」的な一品だ。肉餃子よりもあっさりしているが、旬の脂の乗ったサバを使うと皮の中で濃縮されたとろけるような旨味がなんとも言えない。
今回紹介した料理の中でこれは比較的簡単に家庭で作ることができるので、ご興味のある方はぜひ一度試してみてはどうだろう?

鱍魚水餃(ボーユースイジャオ)

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