中国マメ知識「ザリガニ料理」

 最新の調査によると中国人は1年間120万トンのザリガニを食べる。
大衆居酒屋から高級レストランまで、どこでもザリガニ料理は人気メニューだ。安い店なら1キロ1000円から、高級店ともなると1匹500円以上。とりわけ人気の味付けと言ったら、ザリガニの四川風料理――「麻辣小龍蝦(マーラー・シャオロンシャー)」である。

 料理されるザリガニのほとんどがアメリカザリガニだが、これは世界中に広まっている外来種である。日本ではザリガニ料理は一般的でないが、アメリカやフランス、北欧などでも食べられており、世界的にはポピュラーな食材である。人気家具店IKEAでも、毎年夏にザリガニメニューが登場するのをご存知の方もいるかもしれない。

 実は中国のザリガニ料理の歴史は意外と新しい。
 諸説あるが、中国におけるアメリカザリガニは、1930〜40年代に日本から持ち込まれたと言われている。
 そして、ブームとなったのはここ数年のこと。それ以前は一部で在来種が食べられていたようだが、ほとんどの地域ではザリガニは農作物を害する生き物とされていた。のちに養殖が始まったが、アメリカへの輸出目的だった。
 中国人の口に合った味付けが考案されたこと、湖北省潜江市の大規模養殖場ができたこと、そしてスマホの出前アプリの流行などで、2010年以降アメリカザリガニ需要は爆発的に拡大した。

ザリガニ料理(Photo提供:@mako_63)

 政府の農業農村部や中国水産学会がまとめた「中国アメリカザリガニ産業発展報告」によると、アメリカザリガニを食べる主なルートは屋台とレストラン、そして「ウーラマ(餓了麼)」などのデリバリーの3つ、消費者の中心は20~39歳。若者にとってザリガニは大切な友達付き合いのツールでもあり、ビールを飲みながらおしゃべりする場に、バリバリ殻をむきながら食べるザリガニはピッタリだ。

中国の知恵袋サイト「知乎(ジーフー)」では、なぜザリガニはブームになったかという質問がアップされたが、最も支持された回答は以下の通り。

「ビニール手袋を付けて殻をむくからスマホに触れない。すると最高に会話が弾む」。
こんなジョークで時代をチョキンと切り取れてしまうあたりも、ザリガニが愛される一因かもしれない。


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