中国人旅行客

2020年のインバウンド徹底予想(2)

(前回)2020年のインバウンド徹底予想(1)

キーワードは「深度遊」

 前回も触れたが中国人旅行客といえば「爆買い」を連想する人がまだまだ多いことだろう。しかし、「爆買い」は流行語大賞になった2015年をピークに徐々に下火になっていく。

 その理由の一つが越境ECだ。海外に行く人が増えた結果、個性的で高品質な製品を好む傾向が生まれ、ネットで海外から商品を取り寄せる人が増えた。

 中国シンクタンク「iiMedia Research」のデータによると越境ECで輸入するユーザーの規模もたった2年で倍増している(2016年0.41億人→2018年1.01億人)。(http://www.ebrun.com/20190808/345472.shtml)

 つまり、わざわざ自分で日本に買いに行かなくても欲しいものが手に入るようになったのだ。だが、大きな目的だった「爆買い」が沈静化する2016年以降も訪日中国人旅行客は増え続けている。「爆買い」に変わる新しい目的ができたからだ。それを「深度遊」という。

 「深度遊」とは、従来の旅行スタイルとは違い、十分な時間と熱意を持って、あるテーマに入り込み旅行をすること。そのテーマにゆかりの場所へ行き、観察を通じて理解を深めることを目的とする。(出典:百度百科)

 つまり、集団で訪日して同じバスで決められたルートをめぐり同じものを見ていく従来型ツアーとは違い、個人または知り合いの少人数で、興味のある場所を自分で探し、自分で移動し、好きな時間で楽しむというスタイルが徐々に増えてきている。

 JNTOの2020年1月報道発表資料の「地域別訪日旅行市場の概況(年間総括)」でも以下のように分析している。

訪日旅行市場全体を牽引した中国市場では、FIT (海外個人旅行)化が進んでいることから、訪日旅行プロモーションにおいても個々のニーズに沿った多様な日本の魅力を発信する「深度游(テーマ性のある旅行))」キャンペーンを実施し、特に拡大する中国人スキー客の取り込みや地方誘客を目的に、インフルエンサーやメディアの活用を通じて北海道や東北地方の魅力を発信した。

若い世代が中心に

 ここで観光庁の「2019年訪日外国人消費動向調査」を見ると、中国は1兆7,718億円で全体の36.8%を占めトップ(2018年は1兆5,450億円、構成比34.2%)。

 しかし、1人当たりの支出で見ると21万2,981円で前年比マイナス5.3%だ。これは訪日中国人旅行者の数は増えているものの以前よりお金を使わなくなってきていることを意味する。(http://www.mlit.go.jp/kankocho/siryou/toukei/content/001323877.pdf)

観光庁「国籍・地域別の訪日外国人1人当たり費目別旅行支出」(単位:円)

宿泊費飲食費交通費娯楽等サービス費買い物代その他平均宿泊数
2019年45,36836,72115,2966,771108,800267.4泊
2018円47,85439,98416,8347,998112,104959.7泊

 1人当たりの支出内訳を見ると、平均滞在が約2泊短くなっているのに伴い、各支出も減少する中、「娯楽等サービス費」だけが増えている。全体で節約しつつも、何かを鑑賞したり、自分でやってみたりといった「体験型」サービスを選ぶ人が増えているということではないだろうか?また「体験型」のニーズ増加には、自らネットで収集した情報を元に個人旅行を楽しむ人々か関係しているのではないだろうか?

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