上海夜景

中国の都市の経済力がわかる「GDPランキングTOP 30」

 日本では中国にある数多くの都市の名前は知っていても、それぞれの経済的な力関係はあまり知られていない。しかし、都市ごとの実力を知っておくと、ニュースを見たときに事件のあった都市によって重大さがより理解できる。

30位以内の多くが東部沿海

 データを比較すると、2018年度のランキングと変化はあまり無く、トップ17までの都市ランキングは同じである。18位から少しずつ変化が見られ、上半期に上海・北京・深圳・広州の6つの都市以外で、天津と重慶がそれぞれ10371.2億元と10334.8億元で第5位と第6位になった。注目は、済南市(ジーナン・山東省の副省級)で萊蕪(ライウー)市と合併したことにより18位にランクインした。

 全体的に、2019年上半期の各大都市GDPの増加率は相対的に緩やかだ。貿易摩擦の影響により、各大都市全てが年度始めに緩やかな年間経済成長率目標を制定したため、目標は基本的に実現できているようだ。

 地域分布では、上半期GDPの上位30位の都市は、東部・沿海地域が24都市で、最も経済発展が目覚ましい。中部地区が武漢市・長沙市・鄭州市、西部地区は重慶市・成都市・西安市だけだ。また南北地域の分布を見てみると、北方が北京市・天津市・青島市・西安市・大連市・煙台市・済南市・鄭州市・徐州市などで、長期的に見てみると、南北格差が東西格差に代わって都市発展の新たな様式になる可能性がありそうだ。

沿海部は広州と深圳、内陸は省都が有利

 近年、経済の中心が徐々に沿海地区へ移動している中で、多くの内陸都市が発展の機会を失ってしまった。沿海地区は港が近いという優れた条件を、海外との貿易振興に利用でき、省都以外の都市であっても多くの発展のチャンスがある。最も典型的なのは広東省だ。2017年、深センがGDPランキングの省トップであった広州を抜き、トップを守り続けている。さらに佛山市(フォーシャン)・東莞市(ドングァン)も広州市との差を年々縮めている。(参考:https://zhuanlan.zhihu.com/p/75397035)

 福建省では、泉州(チュアンジョウ)市、省都の福州(フージョウ)市、廈門(シャーメン/アモイ)市の差は継続して大きく、泉州と福州の差は438億元から479億元に、泉州と廈門との差は486億から670.4億元に拡大した。(参考:https://new.qq.com/rain/a/20190829A0Q0WO)

 山東省では青島(チンタオ)市・済南市・煙台(ヤンタイ)市の3都市が接近しており、浙江省は省都の杭州(ハンジョウ)の後に、寧波(ニンポー)が迫っている。

 一方、内陸の省は地理的位置と地形といった二重の要因による制限があるため、発展に有利なのは地理的な中心地や交通の要衝、あるいは大河が近くにある省都だ。

 湖北省では、武漢市の19年度上半期GDPは7478.9億元で、これは全省全体の37.4%を占めており、省内のGDPトップだ。四川省の成都市も、GDP7702.4億元で、省全体の37.5%を占めており、2018年上半期よりも0.05ポイント上昇した。四川省は成都以外の都市はトップ100にもランクインしておらず、省都が有利である代表例だ。

 以上から、沿海部のような海上交通の恩恵がない内陸部は、機能集中のみが経済の重要な要素となるので、「カネ」は省都に集まりやすい。

天津を追い上げる重慶

 2019年に発表された注目都市一覧によると、天津と重慶は上半期GDPが1兆元を突破したという。また江蘇省の蘇州(スージョウ)市は、9548.3億元で全国第7位にランクインし、注目都市の中でも第3位となった。全国ランキングの8位から16位の都市も全て注目都市だ。

 2015年から2019年上半期の天津市と重慶市のGDPを比べると、100億元から30億元台にまで差が縮まっている。重慶はここ2年間伸び悩んでいるが依然としてポテンシャルは高く、将来的には天津市を超える可能性も大いにある。

 一方、天津は2018年上半期GDPが3.4%増加、2019年度は4.6%増加でなんとか成長率30位以内をキープしている状態だ。重慶が2019年に人口では優勢に立ったが、上半期の様子を見ると、重慶と天津の一進一退の攻防戦はおそらく下半期に新たな展開が現れるだろう。

ハイペースで成長する成都、武漢、鄭州、西安

 成都市、武漢市、鄭州市、西安市については、この2年の発展が顕著だ。2015年から2019年までの上半期GDPを見ると、成都と武漢の差が年々縮まっている一方で西安と鄭州の差はずっと平行線だが、いずれも国を代表するとしては成長率が高い。

 ただ西安は2018年の経済発展ランキングで全国第20位にランクインし、ここ20年で最も発展した年となったが、2019年上半期は上位20位に届かなかった。西安は鄭州を超えるには、定住率に固執するばかりでなく、産業発展や経済環境も絶えず向上する必要がある。

長江デルタ地域の2位争い

 長江デルタ地域とは上海市・江蘇省・浙江省の長江下流域の16都市からなる大上海経済圏。ここは中国経済にとって非常に重要な場所であり、この中では不動の1位上海の後に続く、2位の座を南京と杭州で争っている。

 2019年上半期は、杭州が6949.1億元で全国第10位、続いて南京が6742.6億の全国第11位で、杭州が一歩リードしている。

 しかし2016年に国務院が発表した「長江デルタ都市発展規則」では、上海は「超大型都市」で、南京は長江デルタでは唯一「特大都市」、つまり「I型大都市」と位置付けられている。3年間の人口データでは、南京と杭州の差は常に開いているが、経済面ではそこまでではない。

 ここ近年、浙江省は「環杭州湾」の建設に力を入れ、広東・香港・マカオの後に続いて中国第2の「湾区版図」になることに目指している。2019年のG20開催に続き、2020年にはアジア競技大会が開催されるため、杭州にとってはチャンスが続く。経済面以外でも、定住率の上昇にも全力を尽くしており、2018年の人口は33.8万人増(3.57%増)で全国第2位にランクインした。都市発展のポイントは人材競争である。杭州は南京より、人口政策では一歩リードしていると言える。

 南京は、経済面で南京を中心とした鎮江、揚州、淮安、蕪湖(ウーフー)、馬鞍山(マーアンシャン)、滁州(チュージョウ)、巣湖(チャオフー)の経済圏を形成している。

 長江デルタ地域の都市に目を向けると、杭州が南京にプレッシャーをかけているものの、南京は江蘇省の経済発展を牽引する存在だ。しかし、蘇州も負けずに南京を追っている。

これからポテンシャルを発揮する都市

 長い間、中西部の都市はいずれも存在感が乏しかった。その典型なのが安徽省と江西省だ。だが安徽省はここ数年の発展が目覚ましく、合肥市(安徽省の省都)はここ数十年で成長スピードの速い都市となった。しかし南昌市(江西省の省都)は相変わらずで、江西省はいまだに存在感が薄いという結果になってしまった。

 2018年から中国の都市構造は大きな変化をし始め、この一年の中で、西安や成都といった西部地区のスピードは目覚ましく、頻繁に全国メディアに出るようになった。また中部都市は、山西省、安徽省、江西省、河南省、湖北省、湖南省が「中部発展戦略」を積極的に実施し、すぐに国家戦略の中に組み込まれた。鄭州や武漢などが力を尽くして後を追っている。東南沿海都市は継続して地の利を生かしており、成長スピードは緩やかである。

<参照サイト>
https://www.toutiao.com/a6728308220072296964/

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