アリペイとウィーチャット

中国スマホ決済アプリ大解剖(3)40人に使い方アンケート

(前回)ミニプログラムで多機能化

 前回はアリペイ(支付宝)とWeChat(微信)に決済にひもづけられた様々なサービス機能「ミニプログラム」を通じて中国決済アプリでいかに多くのことができるのかを紹介した。今回はそれらの様々な機能はどのようにユーザーに受け入れられているのかを見ていきたい。

「安心感」のアリペイ、「便利さ」のWECHATPAY

 10代〜30代の中国人40人(男性14人:女性26人)からアリペイとWeChatPayの使用状況についてアンケートを取った。(知人を通じてSNSでヒアリング)

<Q1.アリペイとWeChatPay、どちらを使うことが多い?>

アリペイ=24人(男性8人:女性16人)
WeChatPay=14人(男性5人:女性9人)
両方同じくらい=2人(男性1人:女性1人)

◾️アリペイを多く使う理由
「便利で安全」(20代男性@揚州)
「送金に便利。手数料もかからない」(20代女性@蘇州)
「決済に適している」(20代男性@鄭州)*他1人
「ポイントがたまる」(20代男性@福建)
「使える店が多い」(20代女性@河南)*他2人
「“余額宝(ユエバオ)”にお金を入れておくと利息がつく」(30代女性@山西)

◾️WeChatPayを多く使う理由
「連絡用にも使える」(20代女性@揚州)*他4人
「使い慣れているから」(20代女性@南京)*他3人
「機能(ミニプログラム)がなんでもある」(20代女性@北京)*他2人

◾️両方同じくらい使う理由
「どちらも使う頻度が多く、必要不可欠」(20代男性@南寧)

 今回調べた中では「アリペイを多く使う」人が「WeChatPayを多く使う」人の約1.6倍。男女別では際立った傾向は見られなかった。

 使う理由では、アリペイが「安全」「決済に適している」と信頼を得ているほか、使える店が多いと思う人が多いようだ。中にはアリババグループのネット通販サイト「タオバオ(淘宝)」で頻繁に買うのでという回答もあった。またMMFによる資金運用「余額宝(ユエバオ)」のサービスも大きな魅力だろう。

 一方、WeChatPayでは日常的にWeChatとして使っているチャット機能との連動や、ミニブログラムの多さに回答が集約された。「WeChatさえあれば何でもできる」という便利さに魅力を感じているようだ。

「高額」はアリペイ、「少額」はWECHATPAY

<Q2.アリペイとWeChatPay、どのように使い分ける?>

まずほとんど使い分けないという人は、「アリペイのみ」6人、「WeChatPayのみ」3人だった。

 残りの31人はアリペイとWeChatPayを適時使い分けていると回答。使い分ける基準は以下の通り。

・アリペイは普段の買い物で。WeChatPayは友達に送金するときや紅包を送るとき。(30代女性@福州)*他2人
・アリペイは金額が大きい支払いに。WeChatPayは普段の買い物に。(20代女性@上海)*他4名
・アリペイはタオバオでの支払いに。WeChatPayはスーパーやコンビニで(20代女性@無錫)*他1名
・そのとき支払いがお得な方。*他5名
・そのときの気分で。お金が残っている方(20代女性@蘇州)*他8名

 目立ったのが、最多の「気分で」という回答とその次に多い「お得な方」という回答だ。特にこだわりはなく、状況に応じてどちらの決済も使えるようにしているということだろう。

一方、どちらかをメインで使っている人は3パターンに分けられる。

  1. オンラインとオフラインで使い分け
  2. 金額によって使い分け
  3. お金の使い道で使い分け

 パターン1は、WeChatPayをメインで使いながら、タオバオで買うときだけアリペイを使う人たちだが、日常的にはWeChatPayの利便性に満足しつつも、タオバオで買うときはアリペイを使わざるを得ないといった感じだろう。同時にタオバオへの絶大な支持も垣間見ることができる。

 パターン2は、WeChatPayをメインで使いながら、金額が大きい買い物や支払いのときだけアリペイを使う人たちだが、これはQ1の回答でもあったアリペイの信頼度の高さによるものと、余額宝を貯蓄口座のように使っている人が多いと考えられる。

 パターン3は、アリペイをメインで使いながら、友人にお金を渡す、または贈るときはWeChatPayを使うという人たち。普段の支払いは安心感のあるアリペイ、メッセージアプリと連動していることによる友人への送金しやすさはWeChatPayに軍配が上がるということだろう。特に紅包(ホンバオ)という中国のお年玉をオンライン上で贈ることに関しては、WeChatPayが一気にシェアを広げたキャンペーン(『アント・フィナンシャルの成功法則』P240-243参照)がその後も習慣として根付いたと考えられる。

若者の大半が登録「ウェイボーのミニプログラム」

<Q3.アプリに登録しているミニプログラムは?>

 これは面白いことに世代で傾向がはっきり分かれた。
10代・20代36人のうち32人が中国版Twitter「ウェイボー(微博)」のミニプログラムが入っていると回答。そのうち中国版食べログ「大衆点評」も入っているという人が6人いた。

WeChatミニプログラムの「ウェイボー(微博)」

一方30代は「ウェイボー(微博)」という回答がゼロ。

「ミニゲーム、子供の学習アプリ」(女性@大連)
「知乎(Q&Aアプリ),拼多多(ネット通販)」(男性@北京)
「ネットスーパー、ウーラマ(出前)」(女性@福州)
「頭像小助手(画像加工)、小電(充電サービス)」(女性@山西)

回答数が少ないが20代よりも実用的なミニプログラムを好む傾向が見えた。

アンケートまとめ

  • スマホ決済シェアではアリペイの方が多い。
  • 使い分けしている人が大半
  • アリペイが支持される点は「信頼性」「使える店舗数」「タオバオ」「貯蓄」。
  • WeChatPayが支持される点は「WeChatとの連動=慣れた操作感・友達への送金・ミニプログラムの多さ」。
  • 大半の若者がウェイボーのWeChatミニプログラムを入れている。

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