北京と上海の特徴は?「省民性」から見る中国

中国は広い。国土は約960万平方キロメートルで日本の約26倍、人口も14億人あまりとスケールの大きい国のため、一概に「中国人は○○だ」と言い切ることは難しいのです。そこで、日本の県民性のように語られる「省民性」に注目。今回はよく対比される二つの直轄市、北京と上海の省民性を見ていこうと思います

北京

1.情を大切にする

北京へ行ったことがある人ならわかると思いますが、北京には「天壇」「頤和園」「紫禁城」など街中に世界遺産が多く、伝統的な雰囲気が色濃く残っています。そのためもあってか、北京人は昔からの風習や伝統を重んじる人が多く、情を大切にしているといわれています。

2.ユーモアがある会話を好む

北京には「俏皮话(チャオピーファー/qiào pí huà)」という文化があります。他の地域では「歇后语(シエホウユー/ xiē hòu yǔ)」とも呼ばれる日本のなぞかけのような言葉遊びです。北京では昔から言葉で遊ぶ文化があり、「俏皮话」も今なお日常的に耳にします。例えば、下記のようなものがあります。

例1)蚂蚁的腿 —— 闲不住
意味:蟻の足 —— 休む暇がない
例2)出洞的老鼠 —— 东张西望
意味:穴から出たネズミ —— キョロキョロと辺りを見回す

後半に書かれた意味を直接に伝えるのではユーモアがありません。前半の表現を比喩的に用い、後半の意味を婉曲的に伝える、これが「俏皮话」です。このようにユーモアを交えた会話を楽しむところも北京人の特徴の一つです。

後半に書かれた意味を直接に伝えるのではユーモアがありません。前半の表現を比喩的に用い、後半の意味を婉曲的に伝える、これが「俏皮话」です。このようにユーモアを交えた会話を楽しむところも北京人の特徴の一つです。

3.権力への信頼が厚い

北京は政治の中心でもあるため、権力に対する信用が高く、権力さえあれば一攫千金もたやすいと考える人が多いようです。お金に困っても地位を落として収入の高い仕事につくということはせず、権力・地位・名誉を重んじています。

上海

1.ビジネス感覚に優れている

北京が伝統的な都市であるのに対し、上海は中国でいち早く近代化が進んだ都市。かつて租界地だった外灘から対岸を望むとネオンが輝き、街中には高層ビルや多国籍な飲食店などが軒を連ねています。上海人は伝統よりも合理性を重視し、ビジネス感覚の優れた人が多い印象です。

2.リスクを嫌い、堅実を好む

上海はビジネスが盛んな場所でもあり、前にも述べた通り合理性を重視する傾向にあります。そのため、ハイリスクなものより安全で堅実なビジネスを好み、財布のひもが堅いことでも有名。上海で商談などを行う際は、いかに合理的かを相手に伝えることが重要だといえそうです。

3.身だしなみを気にする

上海人は他の都市に比べ身だしなみに気をつかい、高級ブランド品で身を包む人が多いのが特徴的。そのため、ビジネスで相手がきちんとした格好をしていないと、「自分は軽視されているのでは?」という疑いを抱かれてしまうおそれも。特に身だしなみには注意をした方がいいでしょう。

おわりに

筆者が以前中国の人材紹介会社で働いていた時にも、北京人と上海人の省民性の違いを感じたことがあります。中国は日本よりも転職が盛ん。現状よりもよい条件の職があれば転職を考えるケースが多いようです。筆者の経験では、北京人は職位が高い求人、上海人は給与や福利厚生などの待遇が良い求人への関心が高い傾向にありました。

中国には「北京人要面子,上海人要里子」(北京人はメンツを重視し、上海人は実利を重視する)という言葉があります。少し乱暴かもしれませんが、まさにこの言葉が2つの都市の省民性を表しているのではないでしょうか。
【ライター:aichiyangrou】

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