【中国ニュース読み解き】学校再開の状況はいかに?学歴社会ならではの苦悩

中国の“巣ごもり生活”で大きな問題となったのが教育でした。当初は春節(旧正月)終了と同時に学校が再開され、学生たちは学校生活へと戻っていくはずでしたが、新型コロナウイルスの再拡大に神経をとがらせている中国では、学生たちが集まる学校の再開には慎重にならざるを得ないのです。とはいうものの4月中旬ごろから徐々に大学が再開され、日常生活の回復が始まっています。

中国メディア「中国教育在線」の4月6日付報道では、「大学生终于要开学了!这些高校陆续发布开学通知(大学生らがやっと講義を受けられる!続いて高校も再開を発表)」の見出しで中国各地の大学の講義再開日程を伝えています。

これを見る限り、4月15日前後から中国の各大学が講義を再開させていますが、どの大学も「一斉復帰」というわけでなく、「分批」、つまり学年や所属学部ごと小分けしての復帰となっているケースがほとんどです。

そもそも中国の大学生は寄宿、すなわちキャンパス内の学生寮で生活するケースが一般的なのですが、この学生寮が危険視されているのです。

というのも、基本的に1部屋にダブルベッドが3台から4台設置され、6~8人がルームシェアするパターンがまだ少なくありません。

しかもバス、トイレは共同。部屋の窓は1つかないことも多く、日本でいう「3密」の典型。

さらに有名大学であれば中国全土から学生が集まるため、ひとたび感染者が出るとその感染経路の特定は難しく、集団感染へと発展してしまう恐れがあるのです。

しかし、中国では6月に年度が終了するため、卒業予定者などは卒業のための単位取得、卒業論文の審査を受けるのがこの時期。修士課程へと進む学生には、これに加え院試の勉強と受験などもあります。この重要な時期に完全休校するわけにもいかない…そんなジレンマがあるようです。

大学が取ることができるのは、学生が一斉に集まるような密集状況を可能な限り避けつつ、学校生活を徐々に進めていくという消極策になると見られます。

しかし、大学よりももっと深刻なのは小中学生と高校生。こちらの授業回復は、もうしばらくかかりそうな様子です。

中国はご存知の通り超学歴社会。よい大学に入り学位を取得することを目標に、子どものころから英才教育を施しています。確かに日本以上のネット社会化、IT化が進んでおり、オンライン授業なども幅広く行われています。

しかし親としては休校をオンライン授業で補えるといっても、家にいることで遊ぶ時間が増えること、少なくともそうした誘惑が増えることを心配する声が少なくありません。

また中国では親が学校の担任に別途費用を支払って、補習を受けたり、特別に目をかけてもらえるようお願いしたりする行為がいまだに行われています。

しかし、オンライン授業ではこれも難しくなり、それによって「成績に影響するのでは…?」といった心配が起こっているのだそうです。

本来6月第一週に行われる「高考(全国大学入学試験)」の延期がすでに発表されてはいるものの、親の心配は尽きない様子。

中国が本当の意味で新型コロナウイルスの災いを克服できるのは、こうした教育現場が完全に回復した時といえるかもしれません。
【ライター:白圭HAKUKEI】

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