中国eスポーツ、「テンセント」がキープレーヤーといわれる3つの理由

中国では、2003年に国家体育総局の許可によりeスポーツが正式なスポーツ競技として認められました。今から17年ほど前の中国において、eスポーツは注目された産業であったわけですが、とりわけここ数年は資金力がついたことで、中国の各企業がeスポーツへ注力する場面を多くみるようになりました。また、世界的なeスポーツを盛り立てる動きが中国企業のeスポーツ産業への投資を促したともいえます。

今回は、中国のeスポーツを語る上で外せない「腾讯(テンセント)」に着目。テンセントがeスポーツのキープレーヤーといわれる3つの理由について言及し、これを踏まえた上で注目すべきポイントを考察してみたいと思います。

1.人気タイトルを保有

テンセントは、中国のゲーム市場でナンバーワンを誇ります。2019年のゲーム事業の売上は1,147億元(約1兆7,469億円)と、業界二位であるネットイースの464.2億元(約7,070億円)に大きく水をあけています。自社タイトル『Arena of Valor』(以下AoV)の成功が同社のゲーム事業の柱の一つだといわれています。このタイトルは2015年11月にリリースされたMOBA(Multi Online Battle Arena)ジャンルのもので、リリースから約4年5か月が経過した現在でも中国のAppStoreのセールスランキングでトップに君臨する長寿タイトルです。(※1元=15.23円で計算)

ではこの『AoV』は、eスポーツ競技となりうるタイトルなのでしょうか。ご存知の方も多いかもしれませんが、一般的にeスポーツには定番のジャンルというものがいくつか存在しており、その中で最も好まれているのがRiot Gamesの『League of Legends』(以下LoL)やValveの『Dota 2』でおなじみのMOBAです。『LoL』と『Dota2』はPCゲームですが、テンセントの『AoV』はモバイル版のMOBAなのです。もともと中国では『LoL』や『Dota 2』が好まれており、こうしたユーザーの『AoV』への流れは、ゲームジャンルへの嗜好性を考えればある種必然ともいえます。『AoV』というeスポーツ向けのタイトルが人気を博したことで、テンセントは大きなアドバンテージを得たといえるでしょう。

2.幅広い戦略投資

テンセントはこれまでに海外のゲーム企業にいくつも投資しており、中国国内だけでなく世界のeスポーツ市場において大きな力を持っていると考えられます。同社はeスポーツ競技の代表格である『LoL』を所有するRiotGamesを100%完全子会社化、優勝賞金300万ドル(約3億2,298万円)が話題になった『フォートナイト』の開発元Epic Gamesの株式40%を取得しています。さらにバトロワ系ゲームの先駆け『PUBG』を開発したBluehole Studio(現KRAFTON)や、StarCraftシリーズのActivision Blizzardの株式も取得。『Dota2』を所有するValveや、海外と異なるeスポーツ市場とされる日本の企業はこれに含まれていませんが、テンセントがすでに多くのeスポーツ主要タイトルに手を伸ばしていることは間違いありません。(※1ドル=107.66円で計算)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です