中国プロサッカー事情、目指すは2022年ワールドカップ

「中国スーパーリーグ」は2004年に成立し中国のサッカープロリーグ。資金力をつけた各チームが外国の有名選手を獲得したことが報道され、注目度も高まっています。今回はこうした意外と知られていない中国のプロサッカー事情についてみていきます。

中国サッカーのこれまで

2020年現在のFIFAランキングを見てみると、東アジア地域では、日本が28位、韓国が40位、そして中国が76位。日韓に比べて、中国の順位は劣っています。

中国では良い大学に入り、いい就職先に就職すべきという価値観が根付いており、受験競争は日本とは比べ物にならないくらいの厳しさ。こうした背景から、日本のように部活動が盛んに行われていることはありません。また、韓国では国家主導で、スポーツのエリート教育が学校を通じて行われていますが、中国ではこうした状況とも少し違います。

中国には、国家の一流スポーツ選手を育て上げる施設として「体育学校」というものが存在するものの、新興のスポーツであるサッカーは指導者の層も薄く、目立った結果を残せずにいました。また、この「体育学校」はスポーツに重点が置かれ過ぎており、ドロップアウトした学生はしっかりと学業に取り組んでいない状態で厳しい学歴社会に戻らなくてはならず、軽い気持ちで「体育学校」に入学することに対し、親は賛成しないのです。

2019年12月、人材育成や試合体系の整備などが盛り込まれた「6~12歳期のサッカー競技にかかわる業務の実施方案」が出されるなど、現在では中国も国家主導で青少年のスポーツ振興に力を入れており、徐々に競技人口が増えています。しかし、これまではプロ選手への「入口」が狭く、世界で通用する選手が見られず、「中国のサッカーは弱い」というイメージがついてしまいました。

中国がFIFAワールドカップに出場したのは2002年の日韓ワールドカップのみ。この当時は、開催国である日本と韓国の出場予選が免除され、アジア枠を争う際に中国は有利な状況でした。ようやく念願のワールドカップに出場した中国でしたが、その後ワールドカップに出場することは叶っていません。

中国でサッカーは人気がないのか

スター選手がいない中国で、サッカーは不人気なのでしょうか。実はそうではなく、人気の高いスポーツの一つであるといえます。現地メディア「人民網」の報道によれば、プロサッカーリーグ「中国スーパーリーグ」の2019年における観客数は延べ15.99億人と過去最高を記録しています。

また、この中国スーパーリーグはスポンサー価値の高いイベントとされています。スポンサーの提供額は右肩上がりで、現地のシンクタンク「中国産業信息」の公表したデータによると、2018年は全体で4.65億元(約70.4億円)に達したといいます。

プロサッカーリーグ「中国スーパーリーグ」

中国にはプロサッカーリーグとして「中国スーパーリーグ」が存在します。この前身は「中国サッカー甲級リーグ(C League)」で、日本のJ1・J2にようにA組・B組の二部制をとっていましたが、2003年の開催を最後に、A組は現在の「中国スーパーリーグ」にブランド名を変更しました。その下には、日本のJ2にあたる甲級リーグ(旧 B組)が存在し、全18チームがしのぎを削り、成績上位の2チームがスーパーリーグに昇格できるシステムをとっています。

中国スーパーリーグは全部で16チーム(下記参照)。このうち、最多優勝を誇るのは広州恒大淘宝、海外の有名選手を集めていることで注目を浴びてきたチームです。

中国スーパーリーグ 全16チームの名称

上記に述べた広州恒大の以外のチームも、外国人プレーヤーを獲得する動きが続いています。こうした中、次なる話題が外国人選手の帰化。エウケソン(広州恒大)、ニコ・イェナリス(北京中赫国安)はすでに帰化選手として中国のナショナルチームに登録されており、2020年4月にはアロイージオ(広州恒大)もナショナルチームに登録されました。広州恒大は選手の帰化に対し、8.7億元(約131.7億円)もの額を投入しているとの報道もあります。

ワールドカップの舞台へ

2022年には中東のカタールでワールドカップの開催が予定されています。中国は間違いなくこれに照準を合わせており、上記のナショナルチームに登録されているほかにも、外国人選手の帰化に力を入れています。また、これに伴い巨額のマネーが投じられているのも事実。もちろん、これには中国のファンの間で賛否両論はあるようです。

チームプレーが重視されるサッカーという競技で、海外選手がうまく融和できるのか、軋轢を生むのか。新型コロナウイルスの流行により延期となっているアジア二次予選ですが、まずはその結果を待つことにしましょう。

※1元=15.14円で計算

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