【中国ニュース読み解き】緊張感漂う2020年労働節、新型コロナ後初の大型連休の行方は?

2020年3月8日の婦人節は中国における新型コロナウイルス後初のEC商戦でしたが、今月5月初旬に訪れたのは新型コロナウイルス後初となる大型連休「労働節」でした。外出規制が緩和され、また天候にも恵まれた労働節でしたが、新型コロナの影響はどこまで残っていたのでしょうか?中国メディアの報道からみていきましょう。

大型連休中は大都市へ買い物客が流入

北京に拠点を置く新聞『新京報』ウェブ版の5月6日記事では、「大数据解读“五一”消费 :北上广最活跃(ビッグデータで見る五月連休の消費:北京・上海・広州が最も賑わう)」の見出しで、この労働節期間中の人出をビッグデータの分析を使いながら紹介しています。

公的な発表では5月1日から5日まで、国内旅行を楽しんだ消費者は1.15億人、国内観光収入も475.6億元(約7134億円※1元=15円)とされており、この数字だけを見るとずいぶんな賑わいを見せたように見えます。

記事中のデータを見てみると、経済の中心地である上海、消費地である北京や広州、さらには内陸の先端都市となっている成都などには、多くの観光客が集まっている様子が見て取れ、それぞれの有名百貨店やショッピングモールでも、多くの消費者がショッピングを楽しんでいたことがわかります。

これには新型コロナウイルスで冷え込んだ消費を刺激する目的で、中国各地の地方政府が「商品券」を多く発行した事、さらには各百貨店、ショッピングモールでも大きな販促キャンペーンが展開され、消費者の「購入欲」を刺激したことなどが挙げられます。

特に5月5日は、中国EC大手の天猫(Tmall)が「五五購物節」というキャンペーンを展開、ネットでの消費を大きく伸ばしました。

別の報道では、同日前年比で200%増の売り上げを記録した記録したといわれており、当日全国トップの消費を行った上海ではなんと100億元(約1500億円)ものお金が使われたといわれています。

このように、いわゆる「報復消費」が爆発し、「V字回復」を期待してしまいますが、ここについては、少し冷静に見る必要があるようです。

「以前通り」に戻ったとはまだ言えない様子もデータから見えています。

中国交通運輸部(日本の国土交通省に相当)による道路や鉄道の混雑状況を見ると、全体数としては昨年47%程度と、やはりまだ外出控えが残っているような印象を受けます。

上記の国内旅行者数や観光収入も、2019年は4日間のお休みではありましたが1.95億人が旅行し、観光収入も1176.7億元(約1兆7650億円)でした。2020年は人数においては昨年の58.97%、収入においては昨年の40.42%に過ぎないことになります。

その理由はやはり観光各地が感染警戒のため、入場規制を行ったためです。

北京の観光地である故宮でも、チケットの事前予約や1日の入場者数を制限、また安徽省黄山や山東省、四川省でも観光シーズンの3割程度に抑える動きがあり、同様にネット上での事前予約を義務付けるなどの措置を講じました。

例年であれば、北京の名勝・万里の長城では人の群れで「人の頭を見に来たみたいだ」といわれるほどの賑わいを見せますが、しかしこれは日本でいう極度の「3密」状態。

いったん感染者が出れば、再び全国的な蔓延を引き起こしかねないのです。そのため、消費促進と感染防止の両面がバランスを取った労働節だったといえるでしょう。
【白圭HAKUKEI】

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