釘釘(ディントーク)最高技術責任者に聞く「リモート時代におけるオフィスツールの役割は?」

新型コロナウイルスの影響により、世界的にリモートワークが推奨されています。日本でも緊急事態宣言が出され、初めてのリモートワークを経験した会社員の方も多いのではないでしょうか。こうした未曽有の事態に注目されているのがビジネスコミュニケーションツールです。

今回はアリババグループが開発した「DingTalk」に注目。2014 年12月に中国でローンチされた同サービスについてメールでの取材を申し込んだところ、DingTalkの最高技術責任者(CTO)のヒューゴ・ジュ氏(Hugo Zhu、朱 鴻)にサービスの概要、新型コロナウイルスの影響下で果たした役割、そしてこれからの展望をうかがうことができました。

効果的なコミュニケーションは、仕事を効率的に達成できる

ーー「钉钉」(DingTalk)のサービス概要と現在までの展開について教えてください。

DingTalk(ディントーク)は、アリババグループが開発した企業向けコミュニケーションアプリです。大企業から中小企業まで、あらゆる規模の企業向けに、オールインワンで使いやすく、無料でスマートなオフィス環境を提供することを目指しています。

中国でのサービス名「钉钉」は、中国語の「板上定 使命必达」(板に釘を打つ使命は必ず達成される)という言葉からきています。つまり、効果的なコミュニケーションは、仕事を効率的に達成できるという意味です。

2020年4月、DingTalkのライト版アプリ「DingTalk Lite」の提供を開始しました。無料でご使用いただけるこのアプリは、300人以上が同時にビデオ会議を行うことができ、最大1,000人が参加できる高精細ライブ映像配信機能、写真や映像の共有機能、ベーシックな1対1のチャット機能などを提供しています。また、同アプリは現在、日本語、英語、中国語(繁体字)のインターフェースで提供されており、日本、マレーシア、シンガポール、香港、マカオのユーザー向けに提供されています。3月31日時点でDingTalkのユーザー数は世界で3億人を超えています。

ーー4月9日に発表した「DingTalk Lite」と、従来の「DingTalk」との違いは何でしょうか。

DingTalkはオールインワンのスマートオフィスツールです。チャットやビデオ会議だけでなく、モバイル認証やオンラインドキュメント編集などのオフィスオートメーション機能も備えています。

DingTalk Liteは、ビデオ会議、グループライブ配信、大規模グループチャットなどのビデオ機能にフォーカスされており、新型コロナウイルス発生時中のリモートワークや遠隔教育に対する需要の高まりを受け提供されました。

どちらのバージョンも常にアップデートされており、日本語インターフェースやAI翻訳機能を備えており、日本のユーザーにとってより使いやすくなっております。

ビジネスコミュニケーションだけではない他の活用法も

ーー中国では2020年の春節休暇が延長され、その後リモートワークの需要が一気に高まりました。こうした状況の中、中国国内での利用状況はいかがでしたか。

2020年3月31日時点の情報になりますが、中国国内においては、1,500万社以上の企業様にDingTalkをリモートワークなどで利用いただいております。

また、1億3千万人以上の学生が新型コロナウイルス流行中にDingTalkを通じて授業を再開しました。新型コロナウイルスの影響で学校に通えない生徒のための遠隔学習ツールとして、ユネスコからの推薦も受けています。

ーー2020年3月、リモートワーク支援のため、日本企業向けに「DingTalk」のサービスを開始しましたが、日本の利用者の反応はいかがでしたか。

現在、小売業、広告業、エンターテイメント業界や語学学校でDingTalkをご利用いただいておりますが、こうした日本のお客様からも高い評価をいただいております。

具体的な活用例について言及させていただきますと、日本酒「獺祭」の製造メーカー・旭酒造株式会社様はDingTalkを使い、従業員とファンを世界中から集め、オンライン飲み会を開催しました。このオンライン飲み会は世界ギネス記録にも申請中です。このほか、京都フィルハーモニー室内合奏団様もDingTalkを使ってリモート演奏を行っています。

ーー日本においても教育関係の方の利用はありますか。

日本では、東京コスモ学園様がDingTalkのビデオ会議機能と配信機能を利用して、生徒の遠隔授業を促進しました。そのほか、日本語学校の翰林日本語学院様にもDingTalkは利用されています。

強みを存分に生かし、さらなる成長を目指す

ーー新型コロナウイルスの影響により、中国国内はもちろん、海外においてもビジネスコミュニケーションツールが注目を浴びています。その中で貴社サービスの強みはどこにあるとお考えでしょうか。

DingTalkの強みとして1つ目にあげられるのは、強力なビデオ機能です。302人まで無料でビデオ会議に参加することができるほか、ライブ配信機能では1つのライブ配信グループに1,000名以上が参加でき、さらにそのライブ配信を複数のグループで共有することができます。また、大規模なグループチャットは、最大1,000人までが参加可能です。

2つ目の強みはAIによる翻訳機能です。DingTalkは日本語や中国語を含む14カ国語のメッセージを双方向翻訳するAI翻訳機能を備えています。世界中に拠点を持つ企業様は、アリババクラウドが提供する堅牢なグローバルネットワークとAI翻訳機能により、国境を越えたコミュニケーションをスムーズに取ることができます。

ーー2020年、そしてこれからの御社の課題・日本市場での展望を教えてください。

アリババクラウドは2016年に日本に進出しました。前年比100%以上、つまり3桁の成長を毎年達成しており、2020年も同様の成長率を目指しています。

また今後、より多くの日本のお客様に対して国内およびグローバルでの成長をサポートできるよう、アリババグループ内で効果的であることが証明されているプロダクトやソリューションを日本向けにローカライズし、導入できるよう努めていきます。アメリカの調査会社・ガートナーの調査によれば、アリババクラウドは、APACと中国におけるNo .1のパブリッククラウドサービスプロバイダーです。特に、東南アジアと中国での事業拡大を進める日本のお客様にとって、有力なパートナーであると考えており、これからも日本企業のデジタルトランスフォーメーションを支援し、課題解決を支援してまいります。

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