数字で見る動画配信大手「ビリビリ動画」、MAUや収益の柱は?

動画共有サービスなどを行う企業bilibili(以下、ビリビリ動画)。ビリビリ動画は中国ユーザーの間では「B站」という呼び名で親しまれ、再生時にユーザーのコメントが右から左にながれていく「弾幕」が特徴的です。

最近では、ライブ配信の投げ銭システムやこれによる収益化といった話題も度々見かけるようになりました。本記事では2019年の決算報告書(以下、決算報告書)の内容を元に、ビリビリ動画がどんな企業であるかを見ていきたいと思います。

日本の人口を超えるMAU

まずはビリビリ動画のサービスの規模がわかる数字を見てみましょう。

2019年第4四半期の平均MAU(月間アクティブユーザー)は1億3,030万で、プレミアム会員(有料会員)が760万人、正式会員※は6,790万人いるそうです。

※ビリビリ動画では弾幕・動画の投稿を行うためにオンライン上のマナーやサブカルチャーに関するテストを受けて合格する必要があり、これに合格すると正式会員となります

また、ビリビリ動画のオフィシャルウェブサイト(2019年Q3時点)によると、ユーザーは78%が18〜35歳で、1日の平均動画再生回数が7.25億回、月に約310万件の動画が110万人のアクティブユーザーによって投稿されているとのことです。

収益の柱はモバイルゲーム事業からライブ配信へ?
2019年決算報告書「Key Components of Results of Operations」より編集部作成

ビリビリ動画の事業は大きく4つに分けられます。

  • モバイルゲーム事業
  • ライブブロードキャスティング&VAS(付加価値サービス)
  • 広告サービス
  • Eコマース&その他

決算報告書によると、ビリビリ動画の2019年の総売上高は67億7,790万人民元(約1,055億円)で、その中の53.1%にあたる35億9,780万人民元(約544億円)がモバイルゲーム事業の収益となっています。

決算報告書に記載されている2017年・2018年の数字をあわせて見ると、モバイルゲーム事業の収益が全体に占める割合は2017年が全体の83.4%、2018年は71.1%と、徐々に割合が縮小しています。

モバイルゲーム事業で展開するタイトルのほとんどは、ビリビリ動画が開発したゲームではなく、ディベロッパーやパブリッシャーのゲームをビリビリ動画が自社のプラットフォーム上から配信するという形をとっています。同社の決算書によると、ゲームの権利所有者との関係悪化や契約条件変更などの理由から配信の継続ができなくなり、これが収益に影響を及ぼす可能性があるとしています。そのため、ビリビリ動画はモバイルゲーム事業による収益への依存状態から脱却することを目指していると考えられます。

モバイルゲーム事業と対照的に全体に占める収益の割合が増加しているのが、ライブ配信の収益を含むライブブロードキャスティング&VAS事業。こちらは2017年の7.1%から2018年は14.2%、そして2019年は16億4100万元(約248億円)と24.2%を占めており、毎年順調に割合を伸ばしています。

この傾向が続くのであれば、2020年の収益に占める割合はモバイルゲーム事業がさらに減少し、ライブブロードキャスティング&VAS事業の割合はさらに増加すると推察されます。

話題は盛り沢山の2020年、黒字化達成なるか

売上げを順調に伸ばしているビリビリ動画ですが、コンテンツ制作費や広告費、費用の部分も増加、2019年の純損失は13億360万元(約197億円)となり、3年連続で赤字が続いています。

新型コロナウイルスの影響でユーザーが急増した2020年のQ1も、すでに発表されている決算報告によると引き続き赤字が続いています。

そんな中、2020年6月にビリビリ動画が人工衛星を打ち上げ、衛星からの映像配信や画像の公開を行う計画が発表されました。打ち上げ日は6月下旬とされており、詳しい時間帯などは未定ですが、衛星打ち上げの一部始終を独占配信することを明らかにしており、注目を集めています。

このほか、ソニーからの4億ドル(約429億円)の投資を受けたことや、世界規模のeスポーツイベント「League of Legends 2020  World Championship」の独占配信権(中国国内)を獲得したことなど、話題が盛り沢山の2020年。これらの戦略が吉とでるか凶とでるか、今年の業績に大きく関わってくることは間違いないでしょう。
【ライター:若生りんか】

※1元=15.12円計算、1ドル=107.3円

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