中国の「おごり文化」事情!実際のところ割り勘はしないの?

日本で広く浸透している「割り勘」。中国では「おごる」「おごられる」ことが多く、「AA制」という割り勘を指す言葉がありながらも、割り勘文化は根付いていないと言われてきました。中国人と付き合いがある日本人から聞かれる「おごると言われたら、おごられていいの?」「実際ところは割り勘するの?」といった疑問を、筆者や知人・友人の経験を参考にしながら、解明していきます。

昔から「おごる」ことが好きな中国人

そもそも、なぜ中国では「おごる」「おごられる」ことが根付いているのでしょうか。

中国では昔から「好客(ハオク/来客を好む)」と言われ、遠方から来た客に対し、豪華な料理でもてなすことが一般的だったそうです。

さらに、中国人は「メンツ」を非常に気にします。割り勘だと「ケチだと思われるのではないか?」という心理が働き、経済的に負担が大きくてもメンツを優先して「今回は私が払うよ!」と言ってしまうことも考えられます。

筆者も中国の友人から、何度もおごってもらったことがあります。友人いわく、毎回割り勘だと「人情味がないし、ケチくさい」と感じるそうです。

そのため、おごってもらうことを頑なに断ってしまうと、相手のメンツや気持ちを傷つけてしまうことになりかねません。そう考えると「今回はおごるよ」と言われたら、お礼を伝えておごってもらうほうがスマートだともいえます。次に食事をする際に自分がご馳走する、または違う形でお礼をすれば、良い人間関係を築いていけるはずです。

着実に広がりつつある割り勘
(WeChat上の割り勘支払機能の画面)

こうした状況ではあるものの、90後(1990年代生まれ)、00後(2000年代生まれ)の若者の間では割り勘が広がりつつあるようです。会社の同僚とランチをする時や大勢で飲み会をする時など、割り切った人間関係においては、割り勘文化が浸透しているようです。

テンセントのWeChatに実装されている決済機能「微信支付(WeChatPay)」やアリババの決済サービス「支付宝(Alipay)」には、すでに「AA收款(割り勘支払)」の機能があります。この機能では、代表で支払った人が一緒に食事をした人に対して、割り勘分の金額を払ってもらうためにトークアプリ上で通知。受信した人はアプリ内の決済機能を使い、簡単に割り勘したお金を送金することができます。こうした便利なツールが登場したことも割り勘の習慣が広がっている要因の一つといえそうです。

若い女性にもAA制が浸透

男女で食事をする時には、男性がおごることが圧倒的に多い中国。特に、恋愛関係や夫婦関係にある男女では、何かにつけて男性が支払います。そのため、男性の経済的なプレッシャーはかなり大きいと聞きます。しかし、近頃の女性たちの考え方は、少しずつ変化しているようです。

中国のソーシャルプラットフォーム「探探(タンタン)」が2020年4月に発表した調査結果で、「ネットで知り合った友人と初めて会う際にAA制にするべきかどうか?」という質問をしたところ、回答した約7万人のうち、53.21%の女性が「割り勘派」という結果に。また、若い世代になればなるほど、割り勘派の割合が高くなるということも分かりました。

女性の割り勘派が増えることで、デートの支払いシーンにも変化が生まれてくるかもしれません。

おわりに

「おごる」ことが一般的な中国において、徐々にAA制(割り勘)が広まっていることをご紹介しました。いまだにどっちつかずのところがあり、多くの中国人が「AA制にすべきか、それとも気前よくおごってメンツを大事にすべきか」と悩んでいるように感じます。今後、中国で割り勘文化がさらに浸透していくのか、「おごる」文化が残っていくのか、注目していくと面白いかもしれません。
【ライター:小静】

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