【中国ニュース読み解き】「白酒」がついに復権か、価格上昇のナゾとは?

日本人にとって中国のお酒といえば「紹興酒」を思い浮かべますが、実は中国江南地域という比較的狭い地域でしか飲まれないお酒。全国的には蒸留酒である「白酒(バイジゥ)」のほうが一般的なのです。

しかし近年は様々な理由で敬遠されがちとなり、販売不振が続いていましたが、最近また少し状況が変わってきたようです。中国のニュースから白酒市場を見てみましょう。

ワインに押され不人気だったが…

中国に赴任した駐在員にとってまず壁となるのが「白酒乾杯(バイジゥ・ガンベイ)」。地方によって習慣は多少異なりますが、歓迎の席や商談に伴う会食などでふるまわれることも多く、標準的なアルコール度数はなんと50度以上!

小さなグラスではありますが、注がれた白酒はひと口で飲み干すべきとされ、グラスが空くとまたお酌されるという、断るのが苦手な人は酔い潰れること必至です。おまけに香りが強く、日本人にはあまりなじまない味わいだと思われます。

いろんな意味で「中国名物」とも言えるこの白酒ですが、近年は販売不振が続いていました。その背景の一つは、庶民の間で健康志向の広まりによるワイン人気。ポリフェノールの抗酸化作用が知られるようになったこと、高アルコール度数による肝臓への負担などの理由から敬遠される傾向にありました。

追い討ちをかけるように、自家用車に普及による飲酒運転取り締まり強化、日本と同じく若者のアルコール離れなどなど、逆風が吹いていたのです。また贈答品として購入していた富裕層も2012年に党から出された「ぜいたく禁止令」により買い控え、相場が下がり続けていました。

しかし、最近そんな白酒の価格が上がっているニュースを2020年6月25日付のビジネス誌『中国商報』が「中高端白酒再掀涨价潮 行业春天来了?(中〜高級白酒が再び値上げブーム。業界に春が来たか?)」と報じています。

これによると6月に入り、数ある白酒ブランドが1瓶あたり30元(約456円)から高いもので100元(約1,520円)程度の値上げを行っているとのこと。
※1元=15.2円で計算

何があったのでしょうか?

今年の上半期は新型コロナウイルスの影響で春節(旧正月)のギフトニーズどころか、消費の場であった宴会なども全くなく、売上は落ち込むばかり。しかし、感染拡大が落ち着くとともに消費は上向きになり始めました。しかし、在庫は十分にあり、値段が上がる理由は見当たらなさそうです。

実は原因と考えられているのは、中国白酒のトップブランド「茅台酒(マオタイ)」の価格上昇。同ブランドは中国で高級酒として認知されていますが、原酒が減っていることから、特に収集家の注目を集め、毎年値段が上がっているのです。

しかしそれより下位に位置する価格帯が空白となるため、ほぼ毎年のようにその隙間を埋めるべく各社がミドルハイエンドの白酒の値上げを行っているとか。特に今年は新型コロナウイルスの影響で売上が落ち込んでいるため、他社ブランドも価格を上げることでブランド価値を高め、売上向上を狙っているとのこと。

中国の消費が戻りつつあるのは喜ばしいことなのですが、こうした思惑での値上げは消費者にとってはあまり喜べないようです。
【白圭HAKUKEI】

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