2020/08/05 ビジネス

【中国ニュース読み解き】大学入試「高考」の歴史テストから見える受験生の“精神”は?

超学歴社会・中国で、全国的に張り詰めた空気となるのが「高考(ガオカオ)」、すなわち大学入学統一試験の時期です。

例年6月上旬に行われる高考ですが、今年は新型コロナウイルスの影響によって入学試験が1カ月ほどずれこみ、7月に実施。受験生を抱える多くの家庭が約1カ月の長い緊張感を強いられていました。

そのやや通常とは異なる2020年中国大学入試の終了後、試験問題に注目が集まっています。今回はそんな状況を中国のニュースから見てみましょう。

中国の故事が難題に?

毎年、高考の日には全国でやや異様な光景が見られます。

受験生が遅刻しないように警察が出動し交通整理をする姿、盛大にやや悲壮感をもって受験生を送り出し、炎天下にもかかわらず校外で待ち続ける保護者たち…。

中国では高考は人生のすべてをかけて挑むほどの行事といってもよいのです。

そんな高考の2020年試験問題に関して、2020年7月10日付の中国メディア『中国網』では、「北京考生:历史科目不太难 国歌内容进考题(北京の受験生:歴史科目はやや簡単だった、国歌についての出題があった)」と伝えています。

この報道によると歴史科目には、中国の国歌である『義勇軍行進曲』が初めて試験問題に取り入れられたことや、英語のお茶の意味である「tea」と中国語の「茶(Cha)」の発音の関係についての記述を求めるなど、中国人としての意識を高める内容が出されたことなどが紹介されています。

それに対して「簡単だった」と答えた学生が多かった、というのは、中国人としての誇りが学生にも浸透しているというニュアンスのようにも捉えられます。

しかし、自国の歴史の問題が受験生を悩ませたのは歴史教科の試験でありませんでした。実は試験科目の一つ「作文」のテーマが受験生そして保護者にとって、思わぬ難題になったと7月26日付中国ポータルサイト「網易」のニュースチャンネルで紹介されています。

それは秦の中国統一からさかのぼること400年ほど、春秋時代の「斉の桓公」が腹心である「鮑叔」の推薦で、友人であり、かつて桓公を暗殺しようと企てた前科のある「管仲」を重臣として登用すると、斉は強国に発展したという故事「管鮑の交わり」に関するものでした。

中国史好きにはよく知られた故事なのですが、中国は徹底した理系偏重社会。文系において重視されるのは英語のみ。歴史や文学などは「冷門(人気のない専攻)」といわれているほど。ロジカルシンキングやプログラミング、もしくは政治社会などといった内容は暗記していても、歴史故事は全く意識していなかった受験生が多かったようです。

ちなみに一部の報道ではこの試験問題以降、子ども向けの『史記』の売上が上がったとか。自国の文化や歴史を学ぶ人が増えることで、他国の歴史や文化への関心も高まると良いですね。
【白圭HAKUKEI】

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