2020/08/11 デジタル&IT

中国で広がる信用スコア、アリババの「芝麻信用」とは?

キャッシュレス決済が浸透している中国では、そのデータを利用した個人の信用スコアがすでに普及しています。今回は、代表的な信用度スコアサービスのひとつである「芝麻信用(セサミクレジット)」についてご紹介します。

芝麻信用(セサミクレジット)とは?

芝麻信用(セサミクレジット)とは、アリババの関連会社「螞蟻金融(アント・フィナンシャル)」が展開する信用サービスです。サービスを開始したのは2015年。アリババといえば電子決済サービスの「支付宝(アリペイ)」が有名ですが、芝麻信用も今や中国では知らない人はいないほど普及しているサービスです。

具体的には、ユーザー情報や趣味嗜好、履行能力、職業、交友関係などをもとにAIによって信用度がスコア化され、そのスコアに応じて様々なサービスが受けられるというものです。

スコアの点数とメリット

芝麻信用の点数は芝麻分(ジーマーフェン)と呼ばれ、350点~950点の範囲で全5段階に大別されているようです。スコア化の基準は公表されていませんが、自分のスコアはアプリ上で確認することができ、スコアの下に「信用中等」や「信用優秀」などのランクが表示されています。

スコアに応じて受けられるサービスが変わります。今回は数あるサービスの中からいくつかをピックアップしてご紹介します。

先用後享(後払いサービス)
これはスコアが700点以上で受けられるサービスです。ネットショッピングで購入したものを一定期間使用してから支払いができるというもの。商品を実際に手に取る前に支払いを済ませなければならないネットショッピングのデメリットを解消するものとされています。

芝麻(ビザ申請手続き簡素化サービス)
中国のパスポートはビザなしで観光することができる国もありますが、日本や欧米圏などはビザの取得が必要なところが多い状況。ビザを取得しようとした場合、中国国内にある外国大使館に行き、パスポートや身分証のほか、戸籍、経済証明書など多くの書類を提出する必要があります。

こうした手順を簡素化してくれるのが「芝麻簽証」。これは、一定以上のスコアなら大使館に出向かずともオンラインでビザの申請が可能になる、もしくは銀行で取得しなければならない経済証明書を芝麻信用が発行する「信用証明書」で代用することができるといったもの。必要なスコアは渡航先の国によって異なりますが、煩雑な手続きを軽減してくれるため、適用国・地域の拡大が望まれるサービスです。

・免押金(デポジット免除サービス)
中国では自転車をはじめとしたシェアリングサービスのほか、賃貸住宅や宿泊施設などでデポジットを払うのが一般的です。スコアが600点以上であれば信用度が高いといえるため、芝麻信用が提携している施設・サービスのデポジットが免除されます。これでホテルや民宿でのチェックイン、自転車や充電器、傘などのシェアリング利用がよりスムーズになります。中国ではシェアリングサービスが普及しているため、さまざまなサービスでデポジットを預けると、いつの間にか結構な額をデポジットとして取られていることも。そのためデポジットの免除は、学生や若者にうれしいサービスといえるのではないでしょうか。

このようなサービスが受けられるだけでなく、点数化されることで個人の行動が見直され、マナー向上にもつながっているのではないかと考えられます。日々進化を続ける芝麻信用、今後どのようなサービスが展開されるのか、今後も目が離せません。
【ライター:aichiyangrou】

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