2020/09/05 デジタル&IT

シェア1位はアリババ、コロナ禍で拡大する中国クラウド市場と動向

写真:PIXTA

新型コロナウイルスの影響により、職場や学校ではリモートワークやオンライン授業などが導入され、日常のあらゆるものがデジタルにシフトチェンジするようになりました。これに伴い、クラウドコンピューティングの需要がますます高くなりつつあります。今回は、中国のクラウド市場と動向について見ていきます。

コロナ禍で需要拡大した中国クラウド市場

調査会社IDCが発表したパブリッククラウドに関するレポートによれば、2020年第1四半期の市場規模(※1)は39.2億ドル(約4,182億円)(※2)で、IaaS+PaaS市場は前期比58.7%増となりました。新型コロナウイルスの影響で在宅時間が増えたことから、動画、ゲーム、Eコマースのほか、オンライン教育、医療などの業界でクラウドに対する需要が高まりました。
※1 パブリッククラウド(IaaS/PaaS/SaaS)の市場規模
※2 1ドル=106.7円で計算

さらに2020年、政治活動報告や国の重要事項の決定などを行う両会(全国人民代表大会・全国人民政治協商会議)においても触れられた「新基建(新型基礎インフラ建設)」政策が追い風となっているようです。新基建とは、5G通信・産業インターネット・データセンター・AI技術などを支えるデジタルインフラ、新エネルギー自動車の充電スタンドをはじめとする次世代交通インフラの整備などを指し、こうしたデジタルインフラを整備する上でクラウドは大きな役割を持つことが予想されます。

前述のIDCが公表したレポートによれば、中国のクラウド市場(IaaS+Paas)のシェアトップがアリババ、次いでテンセント、ファーウェイ・チャイナテレコムが続き、5番手に世界的に大きなシェアを持つアマゾンウェブ サービスとなっています。

アリババとテンセントの動向

2020年6月、現地メディア鳳凰科技がアリババ傘下のフードデリバリーサービス「ウーラマ」がデータベースなどの設備をアリババクラウドに移行したと報道。これにより1億人が同時にオンラインで注文できるようになったとのこと。昼食や夕食などピークの時間帯でも注文をスムーズに行えるようになるため、ウーラマの利用拡大が期待されます。

2020年7月、テンセントクラウドと中国ゲームパブリッシャーであるiDreamSky(創夢天地)がクラウドゲームに関する技術およびコンテンツなどでの提携を発表しました。両社はコミュニケーションが可能なゲーム実況動画といった新たなエンターテインメントの研究、クロスプラットフォームの展開など、クラウドゲーム産業の幅を広げる取り組みも行っていく見込みです。ゲーム事業の強いテンセントが、クラウドゲーム事業でも影響力を持つことができるのか引き続き注目しておきたいテーマです。

新型コロナウイルスの影響から、テレワークがにわかに浸透したように、教育や興行をはじめとしたオフラインが当たり前だった分野のオンライン化が進んでいます。

数年前と比較し、データのトラフィックはけた違いに膨れ上がっている状況の中、自社でサーバーを構築し、運用していくには手間と費用を要します。社内システム管理の簡素化・運用コストの削減が見込めるクラウドへの移行する流れはある種必然ともいえ、今後も世界のクラウド市場は拡大していくものと見込まれます。

国を挙げてデジタルインフラに取り組むなど、新たな取り組みが次々見られる中国。独身の日をはじめとした大規模オンラインセールにも耐えうるサーバー力を持つ隣国市場に、今後も注視しておく必要があるでしょう。

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