2020/09/10 デジタル&IT

中国のバーチャルアイドル「洛天依」がARライブでますますリアルに!

画像提供:天矢禾念娯楽集団

「洛天依(ルォ・テンイ)」という名前を聞いたことがあるでしょうか。

日本でバーチャルアイドルといえば初音ミク。その愛らしいルックスとVOCALOID技術によって紡ぎだされる独特の歌声が若者の支持を集めました。初音ミクの誕生から5年後、中国でもあるバーチャルアイドルが誕生し、人気を獲得していきました。それが洛天依です。

中国のバーチャルアイドル「洛天依」とは

洛天依

画像提供:天矢禾念娯楽集団

洛天依は2012年7月12日生まれ。公式サイトでは「少しおっちょこちょいで天然な15歳の女の子」と紹介されています。中国版TwitterといわれるWeiboのフォロワー数は約467万人で、これは初音ミクのフォロワー数341万人を上回っています。(2020年9月4日時点)

徐々に人気を拡大し、2016年には中国のお正月特別番組「湖南衛視小年夜春晩」に出演し注目を集めました。2019年にテンセントが発表した「2019テンセント00後研究レポート」内のアイドルランキングでは人気歌手や有名俳優をおさえ、洛天依がトップを飾りました。2012年から活動していながら、いまだに人気を維持していることがわかります。


日本と同じく、ファンによって人気を「醸造」

洛天依の誕生の5年前に、日本ではヤマハ株式会社のVOCALOID(以下、ボーカロイド)技術を使った初音ミクが誕生します。

ボーカロイドは自分が作詞作曲をしたものに歌声をあてることができる音声合成技術です。そのため、クリエイターは好きな歌を制作してバーチャル歌手に歌わせることができるわけなのですが、ここで一役買ったのがニコニコ動画をはじめとした動画サイトでした。

自由に投稿できるコメント(弾幕)はユーザーコミュニティを活性化させ、ひいてはクリエイターの技術を向上させる材料となりました。

洛天依
画像提供:天矢禾念娯楽集団

洛天依の誕生した中国に目を向けてみると、同様の環境が整っていたといえます。2006年、中国では弾幕が流れる仕様の動画プラットフォーム・ビリビリ動画が設立。洛天依がデビューした2012年までに、ビリビリ動画は二次元ファンや日本コンテンツが好きなユーザーが集まる場となっていました。

こうしたファンコミュニティの土壌ができあがっていたことは、二次・三次創作を前提とするボーカロイドにとって、追い風になったと考えられます。

 

テクノロジーによりさらにリアルな存在へ

このようにして人気バーチャルアイドルとなった洛天依ですが、特筆しておきたいのがコラボの幅広さ。先に述べたテレビで歌を披露することや商品とのコラボはもちろん、張韶涵や白挙綱など有名人気歌手と一緒に歌うことも少なくありません。ビリビリ動画が2019年末に行ったイベントでは、中国琵琶の演奏にあわせ中国の民謡「好一朵茉莉花」を熱唱しました。

ARライブ
画像提供:天矢禾念娯楽集団

バーチャルアイドルとしてのライブにも進化が見られます。これまでバーチャルアイドルのライブといえばホログラム映像によるものが一般的でした。先日Youkuで配信され、洛天依も出演した「VSINGER LIVE2020」ではAR技術を存分に使い、あたかも現実世界に存在するような映像が映し出されました。

ホログラム映像と比較し、舞台の奥行きを存分に使うことができ、バックダンサーを引き連れたパフォーマンスは観客の目をくぎ付けにしました。新型コロナウイルスの影響により、無人でのパフォーマンスを行わざるをえなかったものの、さらにリアルな存在としてファンの前に姿を現したのでした。


テクノロジーの進歩が新たなエンタメを生む

誕生から9年目となる2020年も様々な挑戦を行っている洛天依。実は2019年より日本でも活動を開始しており、日本語の楽曲もリリースしています。

近年、モーションキャプチャーの精度が上がり、ボーカロイド以外にも、VTuberなどのバーチャルアイドルがより身近な存在になりました。テクノロジーの進歩はエンターテインメントを深化させる可能性を秘めています。

今後も、テクノロジーの発展が著しい中国、そして中国人に育てられた洛天依が全く新しいエンターテインメントの世界に連れていってくれるかもしれません。

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