2020/09/15 カルチャー

中国人との乾杯、注がれたら必ず飲み干すべき?

写真:PIXTA

中国人との商談や付き合いには欠かせない「お酒の席」。中国では、乾杯をしたら飲み干さなければいけないという話をよく聞きますが、実際はどうなのでしょうか。今回は、中国の友人へのヒヤリングを中心に、中国人のお酒に対する考え方や飲み方などをみていきます。

昔から大切にされてきた中国の「酒桌文化」

宴会マナーを含めたお酒の席の習慣は、中国語では「酒桌文化」といい、一つの文化とされています。中国最古の詩篇とされる『詩経』では、お酒についての記述はいくつも見られます。お酒の席での習慣は、昔から中国の人々にとって大切な存在だったと考えられます。

そんな中国のお酒の席で大切なのが、宴会中に何度も訪れる「乾杯(ガンベイ)」の習慣。中国では乾杯をしたら必ず飲み干すのが礼儀だという話をよく聞きますが、実際のところは、必ずしもそうではないようです。

最初の一杯だけは飲み干すと良い

中国出身の友人に聞くと、中国でのお酒の席では、はじめにホストや上司などが乾杯の挨拶を行うということが一般的なのだそうです。この最初の乾杯の時だけは、できるだけ飲み干すことが良いとされています。

これは、お酒を飲み干すことで、相手に敬意を表すことができると考えられていることに由来しているようです。乾杯の時には、相手に敬意を表し、「敬你一杯(一献さしあげます)」と言いながら、グラスを飲み干すこともあります。

無理して飲む必要はないという考えが浸透しつつある

「感情深一口闷(親しい仲なら、一口で飲み干して)」という中国語があるように、以前はお酒を強く勧めることもあったそうです。しかし、最近ではそれも少なくなっているようです。「我干了,你随意(私は飲み干しますが、あなたはご自由になさってください)」と、相手を気遣う言葉もあります。

筆者自身、中国の友人との宴会に参加すると「お酒を飲まなくても構わない」という雰囲気を感じます。筆者の友人も同様で、10年前と比較すると、お酒を強く勧められる場面が少なくなったと感じているそうです。友人はお酒があまり好きではないので、付き合い程度に飲んで自由解散することが多いのだとか。

中には、場の空気をよんで無理に飲む人もいますが、中国語には「小酌怡情,大酌伤身(ほろ酔いくらいがちょうど良く、大酒は健康を害する)」という言葉もあります。お酒が飲めない場合には遠慮せずにホストに伝え、例えばお酒以外の飲み物で乾杯をしたり、飲み干したりすることで敬意は伝わるのではないでしょうか。

ビジネス上の付き合いでは飲み干す習慣が健在?

では、「とにかく注がれたお酒は飲み干すべし」といわれていたビジネス上でのお酒の席はどうでしょうか。

伝統的な「飲みニケーション」を重視する企業では、今でもお酒を飲み干す文化を重視するとの意見も。とはいえ、IT企業やグローバル企業を中心に、こうした飲酒文化が少しずつ薄れつつあると感じるとの声も聞かれました。

おわりに

今回ご紹介した習慣は唯一無二のものではなく、個人の考え方、地域の習慣等によっても異なると思いますが、中国人は今でもお酒の席を大切にする文化を持っています。無理してお酒を飲む必要はありませんが、最初の一杯を飲み干す、または他の飲み物で乾杯するなどして、彼らのお酒への考え方に歩み寄ることができれば良好な関係が築いていけるかもしれません。

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