2020/09/19 デジタル&IT

【5G時代へ】クラウドゲームの商用化(1)

写真:Pixabay

はじめに



今春、日本でも5Gサービスの提供が始まりました。とはいえ、接続可能エリアがごく一部に限られているため、多くの方にとってまだまだ実感が薄いかもしれません。 しかし、中国ではすでに5Gを様々な分野に活用する試みが多くなされ、この点で日本をリードしています。

このWeb連載では、中国通信技術研究の権威が、5Gの誕生、仕組み、社会への影響を解説した書籍『5G時代』(中信出版日本)の中からポイントとなる部分をピックアップしてご紹介していきます。



クラウドゲームは5Gの大本命



 5G時代、クラウドゲームは潜在力のある応用シーンになるだろう。ゲーム分野には、リアルタイムストラテジー(Real-time Strategy/RTS)やロールプレイングゲーム(Role-playing Game/RPG)といった大きな商業的価値をもつコンピュータゲームが存在する。

クラウドゲームは4G/5Gの移動通信のために設計される

 5Gとゲームの結合において利用される端末機器は、モバイルデバイス(モバイル端末)である。

 一般的に固定系ネットワークの端末でプレイするクラウドゲームは、5Gの優位性を活用できない。またホームブロードバンド(Home Broadband/有線のブロードバンド回線)の代わりに5Gを使用するかどうかは、利用料金をはじめとする諸問題があるため、ユーザーが受け入れるかどうかによるだろう。

 言い換えれば、テクノロジー上では、5Gには「有線LAN+Wi-Fi」よりも遅延を低減する潜在力があるものの、移動体通信システムが「光回線(光ファイバーのインターネット回線)+Wi-Fi」に代替可能かどうかは、通信キャリアの投資や市場戦略、そしてユーザーの選択にかかってくるだろう。

 移動体通信ネットワークがWi-Fi に取って代われるかどうかは、本質的にテクノロジー的な問題ではなく、商業的な問題である。ここからは、おもにモバイルデバイスについて検討しよう。注目すべき点は、モバイルデバイスは通常はバッテリーを使用し、バッテリー消費に制約されることだ。

クラウドゲームの目的は端末の計算能力の負荷、端末への要求を軽減すること

 モバイルデバイスのバッテリー消費を軽減すること、CPU(Central Processing Unit/中央処理装置)およびGPU(Graphics Processing Unit/画像処理装置)への要求を抑えることがクラウドゲームの目的だ。

 もしクラウドゲームを商用化できたら、次の2つのアドバンテージをもたらす。

(1)モバイルデバイスでも、計算能力の高いゲームをプレイできる。

(2)携帯電話のバッテリー消費を抑える。仮にAAA(大作、トップクラスレベル)ゲームをプレイする場合でも「充電4分で10時間の使用」が可能となる。

 クラウドゲームには歴然としたアドバンテージがある。『王者栄耀』などの既存ゲームは、携帯電話で演算を行い、ゲーム内のデータ(パケット)をサーバーに送信しなければならない。

 クラウドゲームの構想は、モバイル端末では動画処理のみを行い、それ以外の計算はすべてクラウドに任せるというものだ。そうすることで、ゲームのバッテリー消費を遅らせ、充電なしでプレイできる時間を延長する。この状況下なら、AAAゲームでも単純なミニゲームでも、携帯電話で充電することなくプレイを続行でき、「携帯電話のバッテリー切れの心配」にとらわれることなく、ユーザーはゲームを楽しむことができる。


次回は、「クラウドゲームの商用化(2)」

5G表紙

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