2020/09/20 デジタル&IT

【5G時代へ】クラウドゲームの商用化(2)

写真:Pixabay

はじめに



今春、日本でも5Gサービスの提供が始まりました。とはいえ、接続可能エリアがごく一部に限られているため、多くの方にとってまだまだ実感が薄いかもしれません。 しかし、中国ではすでに5Gを様々な分野に活用する試みが多くなされ、この点で日本をリードしています。

このWeb連載では、中国通信技術研究の権威が、5Gの誕生、仕組み、社会への影響を解説した書籍『5G時代』(中信出版日本)の中からポイントとなる部分をピックアップしてご紹介していきます。



クラウドゲームは5Gの大本命(つづき)



ゲーム遅延は次第に改善される


 ゲームをプレイする過程では、満足度の高いゲーム体験が非常に重要である。オンラインのモバイルゲームにとって、ネットワーク遅延はゲーム体験に影響を及ぼす最大の要素だ。4Gのゲーム遅延には、大きく分けて2つの要因がある。4Gのネットワーク遅延、サーバーまでの距離が招く電波/信号の伝送遅延の2つだ。

 ゲーム遅延の問題を解決するためには、まずは5Gネットワーク構築の加速が必要だ。もう一方では、クラウドセンターを増設し、サーバー・端末間の信号伝送距離を短縮する必要性がある。ちょうど現段階のゲーム用プラットフォーム「Steam(スチーム)」に、さまざまな地域のダウンロードサーバーやゲームサーバーを増設するような手法だ。

 5G ネットワークの遅延低減および速度上昇にともない、今後のクラウドゲームの動向は、ゲームをクラウド上に保存し、ユーザーはネットワーク接続によりゲームデータを取得するようになる。

 短いスパンでみれば、5Gネットワーク構築がクラウドサーバー増設に優先される。したがって、この期間はサーバーまでの距離が招く信号伝送遅延により、クラウドゲームの発展は引き続き制限され、この状況は今後数年間続くかもしれない。信号伝送遅延が改善されるまでは、遅延に敏感なクラウドゲームはプレイできるだろうが、そのゲーム体験は満足ゆくものにはならないだろうし、イライラして携帯電話を投げつけたくなるかもしれない。遅延に鈍感なクラウドゲームなら、モバイル端末上でもそれなりによいゲーム体験を得られるだろう。

 建設ラッシュを経て、5Gネットワークは次第に定着してゆく。そのサポート下でクラウド化の活用シーンはますます増えるだろう。通信キャリアは都市・町レベルのより多くの地域でデータセンターを増設し、現在のエリアに対して、遅延を改善したクラウドサービスを提供する。

 上述のように、5Gはクラウドゲームに大きな影響を与える。5G前期では遅延に鈍感なゲームを、後期になればより多くのアクション系のAAAゲームを、携帯電話を使って体験できるようになるだろう。


次回は、「超高精細映像の活用シーン」

5G表紙
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