2020/10/05 デジタル&IT

【5G時代へ】日本における5G実用化実験

写真:Pixabay

はじめに



今春、日本でも5Gサービスの提供が始まりました。とはいえ、接続可能エリアがごく一部に限られているため、多くの方にとってまだまだ実感が薄いかもしれません。 しかし、中国ではすでに5Gを様々な分野に活用する試みが多くなされ、この点で日本をリードしています。

このWeb連載では、中国通信技術研究の権威が、5Gの誕生、仕組み、社会への影響を解説した書籍『5G時代』(中信出版日本)の中からポイントとなる部分をピックアップしてご紹介していきます。



地に足をつけて前進する日本



日本は世界で最初に5Gの策定を行った国で、5G商用の準備は万端である。2G時代は独自の道を歩んだものの、3G時代では移動体通信の主流に沿い、4G時代はその流れに乗ってさらに発展した。日本は全国的な情報関連産業の成長戦略に5Gを導入し、自国の特色と結合して国全体を変えようとしている。

2015年、日本政府は早くも5Gの研究に着手し、2017年には5Gのユースケーステストを実施した。2019年4月、総務省は大手通信キャリアのNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの3社に楽天モバイルを加えた4社に対して、5Gの周波数帯を割り当て、2020年からの大規模な商用化を目論んだ。2023年には5Gの商用化サービスの利用可能エリアを日本全域へ拡大し、総投資額は5兆円に達する見通しだ。

5Gネットワークの構築が国家レベルの要求を満たすことを保証するため、日本政府は国家戦略の面から介入し、関連の制約条件を制定した。5G構築の目標は人に対するサービスだけでなく、あらゆるモノに対するサービスを提供することにある。そのため、人口および人口密度を5G構築の判断基準とせず、当初より都市部から離れた地域でもサービスが必要だとした。

日本政府は通信キャリアに対し、2年以内に全都道府県で5G対応を実現すること、業種別にできるかぎり多くの通信基地局を提供することを要求した。日本の国土を1辺10kmのメッシュ(網目)で区分して4,500個のメッシュを形成し、5年以内にその50%以上で5Gに対応するよう求めた。通信キャリアは周波数帯の割り当てを申請する際に、各エリアのネットワーク建設スケジュールおよび担当の通信設備メーカーを明確にする必要がある。

総務省は5Gの重点応用分野として、以下の9つを挙げている。

IoV(Internet of Vehicles/クルマのインターネット)

②ワイヤレスVR

③スポーツ施設の高速通信ネットワーク放送

④スマート工場・スマートオフィスの高品質センサーネットワーク

⑤スマートシティのセキュリティの無線通信ネットワークとの融合

⑥スマート農業の多数同時接続

V2V(Vehicle-to-Vehicle/車車間通信)

⑧安全医療の無線通信プラットフォーム

⑨高速鉄道の高速移動通信

2020年に開催が予定されている(注:新型コロナウイルス感染拡大により、2021年に延期。2020年9月15日現在)東京オリンピックおよびパラリンピックは、日本の5Gを発展させる重要な推進力となるだろう。ここに照準を合わせ、各通信キャリアは東京の中心部などから5G の商用化を先行して展開し、徐々にその対応エリアを拡大してゆく。

※IoV(Internet of Vehicles/クルマのインターネット) IoT(Internet of Things)を自動車分野に特化させた概念。

※V2V(Vehicle to Vehicle/車車間通信) クルマと何か(クルマ、歩行者、インフラ、ネットワークなど)を接続したり相互連携させる技術「V2X (Vehicle to X)」の1つで、クルマ同士の通信を指す。死角になっている自動車が接近することを検知して衝突を避けたり、後続車への情報提供(例 障害物の存在、救急車などの緊急車両の接近など)、適正な車間の維持などに活用する。



次回は、「中国の5Gネットワーク建設」

5G時代
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