2020/10/08 カルチャー

中国人留学生が語る中国習いごと事情、英語教室に通う子どもが増えている理由は?

写真:PIXTA

私は日本の大学院に通っていますが、日本に留学し始めて、週末でも忙しそうな学生の姿をよく見かけます。日本ではみんなが習いごとをしているのでしょうか。中国とはどんな違いがあるのでしょうか。今回は私の経験と両親や知人に聞いた話をもとに、意外と知られていない中国の「習いごと事情」についてお話します。

意外に種類豊富な中国の習いごと

中国では、「子どもをスタートラインで負けさせてはいけない」という意識が親の間で強く、幼稚園入園より前に、何らかの習いごとに通わせるのが一般的です。ただし、こう考えられるようになったのは一人っ子政策以降のことで、私の両親は習いごとをやっていなかったといいます。

現在20代の私は、子どものころにピアノと水泳を習っていました。周りの友人も同じく、楽器とスポーツ1つずつ習うようにしている子が多く、特にピアノが人気だったと記憶しています。

中国では、日本で定番の習いごととされる野球やサッカーを習う子どもが少ないのも特徴の一つです。人気の習いごとは卓球やバトミントンで、水泳や武術、ローラースケートのほか、冬季限定でスキーを習っているクラスメイトもいました。

習いごとを始める際には、親の勧める教室に通う場合もありますし、子どもが自らやりたいということもあります。私は後者で、広告を見て両親に「習ってみたい」といい、習い始めました。

費用は習いごとによって異なりますが、参考にQ&Aコミュニティサイト「百度知道」を見てみると、ピアノだと一回当たり約100元(約1,550円)、グループ指導の水泳だと一回当たり約60元(約930円)。教室の規模によって価格はまちまちですが、ピアノの個人レッスンが3,000円くらいの日本と比べると、いくらか安めの価格設定でしょうか。

近年は「英会話スクール」が人気

種類が豊富な習いごとの中で、最近は英語を選択するケースが増えているようです。中国のシンクタンク「前瞻産業研究院」が公表したデータによると、児童向け英語スクールの利用者は毎年右肩上がりに成長を続け、2014年の1,029.9万人から2018年には2,046.5万人にまで拡大しています。

日本とは異なり、中国では小学1年生から学校で英語を学び始め、難しい文法項目や長い文などを勉強し、読み書き能力を徹底的に訓練します。私が子どものころは、「習いごと=学校で学べないこと」という認識でしたが、なぜ学校で学ぶ英語をわざわざ習いごととして選ぶ人が増えているのでしょうか。

答えは、読み書きを中心とした英語学習を続けていても、英語を話せるようにはならないからです。中国では、英語教育の初期段階からこうした学習を続けていると「頭でっかち」になってしまい、英語でコミュニケーションをすることを阻害すると問題視されてきました。

そのため、最近では単語や文法を丸暗記するのではなく、フランクに会話をしながら習得を目指す会話中心型の英語教室が人気を博しているようなのです。「このような教室に行けば英語が話せるようになるか」と問われると半信半疑ですが、子どもが教室で「英語って楽しい」と考えるようになれば、それだけで価値があると私は思います。

人生は長いです。マラソンに例えるなら、スタートラインの1秒、2秒の差より、気持ちよく最後まで走り続けるのがもっと大事なのではないでしょうか。楽しさに出合える場が、「習いごと」であってほしいものです。

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