2021/01/01 ビジネス

【中国ニュース読み解き】夫婦別姓の中国で起こる新たな苗字の悩み〜兄弟・姉妹別姓に進む?

写真:Pixabay

現在、日本では夫婦別姓が長く議論されていますが、中国では夫婦別姓が普通。とはいえ子どもには父親の姓をつけることが通常です。しかし、最近中国では子どもの姓をどうするかが議論になっています。

そもそも結婚、そして子どもが生まれるのはどの国でも大事なこと。しかし、その大事さゆえに、特に苗字に関しては社会通念と伝統的な家族観の衝突も数多く生まれています。

中国では夫婦というよりも長きにわたって行われてきた一人っ子政策とその転換の影響もあり、子どもの苗字もより複雑化しています。

そんな中国の結婚と苗字について見てみましょう。

残すのは夫の姓?妻の姓?



中国では今、晩婚化に加えて結婚者数、そして出生率の減少という人口問題に悩まされています。

その中でも重要なのが結婚。2020年12月20日付の中国のメディア『人民日報』では、「江浙兴起两头婚:男不娶女不嫁 孩子随父姓也随母姓(江蘇省・浙江省で“対等婚”人気;男性は娶らず、女性は嫁がず、子供には父姓も母姓も)」という記事で近年中国の結婚が抱えているある問題を紹介しています。

中国では大学試験合格までは恋愛はご法度。
「早恋(早期恋愛)」などと言われ、学校だけではなく、中学高校の保護者たちも厳しい目でチェックしています。
しかしその反面、大学に入ってしまえば比較的自由にさせてもらえるようで、日本から見たら遅めの青春を大学生たちは楽しんでいるのです。

そして社会人。
このタイミングから親たちは焦り、「早く結婚を」や「彼女・彼氏はできたの?」と聞き始め、果ては公園で子どもの情報を張り出し、相手を探すようなことも。

そんな周りが待ち望む結婚ですが、そこでやがて問題になるのは、2人の間に生まれてくる子どもの「苗字」です。
中国では基本的に夫婦別姓で、日本のように“どちらかの姓”に統一する必要はありません。

しかし子どもは別。
慣例としては「父親の姓」を名乗るケースが多くあります。
これはやはり伝統的な、日本同様の「籍に入る」という概念であり、生まれてくる子どもは父親の家の子ども、という観念が強いためです。
時折、母方の姓を子どもが名乗るケースがありますが、その場合は、夫は「婿養子に入った」と見られるということになります。
特に、一人っ子世代の結婚が進むと「中国の姓が半数になる」ともいわれてきましたが、それも致し方なし、といった風潮でした。

そんな風潮に一石を投じたのは現在、浙江省や江蘇省で行なわれている施策。
中国では2016年から全面的に2人目の出産が認められるようになりましたが、それを利用し、1人目は父方の、そして2人目は母方の姓を名乗るというものです。

記事によると、これは「両頭婚」と呼ばれる当地の習慣で、これならば女性が「嫁する」わけでも、男性が「門に入る」という概念も存在しません。

最初の子が父方の姓であれば父の一族で責任をもって養い、母方の姓であれば母の一族が責任を負う。祖父母・外祖父母の違いもなくなり、みんながハッピーになると考えられているようです。

もちろんこの習慣、中国社会で完全に認可を得ているものとは言えません。現在は法律家を巻き込んだ議論も行われており、最終的な定論は登場していないと記事では伝えています。

日本でも夫婦別姓と家族の在り方が議論されていますが、中国も新しい家族の姿と苗字には長い議論が必要となりそうです。

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