2021/04/08 カルチャー

中国SNSをにぎわす「代言人」からみえる中国アイドル時代の到来

※写真はイメージです 写真:PIXTA


価値観の変化で進んだ中国アイドル文化

中国では今、多くのアイドルが生まれており、とくに90年代や1995年以降に生まれたZ世代がアイドルとして活躍しています。W11前夜祭や春節聯歓晩会などの大型イベントには、とくに若い歌手や俳優が登場し盛り上げています。

日本では、モーニング娘。やAKB48を代表とするアイドルグループが、オーディション番組から誕生してきました。また、韓国でも同様の方式でアイドルが誕生しています。

その方式が中国にも近年になって輸入されてきたのです。新人アイドルを発掘する「練習生」シリーズ、芸能人としての地位を得ている女性たちが本音で挑戦する「乗風破浪的姐姐」などもシリーズ化され、人気番組となっています。中国においては本格的なアイドル時代の到来といえるのかもしれません。

背景にあるのは、中国の社会的な価値観の変化ではないかと考えられます。

以前の世代は、経済的な成功を得るのが一般的な人生目標でした。日本よりも過酷な大学入試を勝ち抜き、大手企業に就職。マイホームを持ち、マイカーを買い、やがては独立して自分のビジネスを行う…。そんな姿を追っていたのです。その中では、芸能人やアイドルというのは不安定な職業であり、目標とされにくかったのです。

しかし、時代が変わり、現在のZ世代においては「自己実現」「自分の価値観」によって「他者とは違う夢」を追うことができるようになってきました。アイドルを夢にみることもできる時代になり、そのための道としてアイドル選抜番組が人気に。同時にアイドルが夢の象徴としてみられるようになり、ファッションや手にしている商品、そして同時に彼らがすすめるブランドや商品にも熱い視線が注がれるようになったわけです。

現在のZ世代のアイドルや俳優、例えば王一博(ワン・イーボー)、易烊千玺(イー・ヤンチェンシー)、周冬雨(チョウ・ドンユィ)らの影響力は、単純に商品を売るだけのKOLに比べても強くなり、代言人として起用したブランドの微博公式アカウントの投稿には「尊い!」「〇〇のために買う!」など、ファンたちのコメントが数多く寄せられるのです。

中国の調査会社「芸恩(endata)」の調査によると、2020年のアイドル市場の規模は中核となる音楽の売上げや映画やドラマ出演、そして代言人などの活動を含める周辺市場を含めると1,300億元に達するといわれています。

これは契約料や出演料など、アイドルに直接関連する金額なので、アイドルが生み出す経済価値はここからさらに大きいものになっていると考えられます。

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