2021/04/29 カルチャー

法律、トラブルからみる日本とは違う中国の「アイドル代言人」事情

写真:PIXTA

中国でアイドル文化が成長し、中国国内で市場開拓をする企業と結びついて花開いた、広告宣伝のイメージキャラクター「代言人」。その代言人を、少し視点を変えてみてみたいと思います。華やかにみえる世界ですが、そこにはいろいろなレギュレーションがあり、また企業側もリスクを負っているのがみてとれます。そんなアイドル、代言人の文化、その将来を予想します。

日本とはちょっと違う中国代言人の世界~広告の“法律”

色々な業界の宣伝戦略として起用される代言人。日本とそう大きくは変わることはないのですが、日本からみると意外に思える規定があります。

中国には「中華人民共和国広告法」という法律があり、そこに代言人の起用についても明確な規定があるのです。そして日本では当たり前でも中国では禁止されている事項もあるのです。

まず医薬品。日本では風邪薬や鼻炎薬、貼り薬など、非処方薬のCMには多くの芸能人が起用されているのをみかけます。

しかし、これは中国においてはNG。中国で医薬品、医療機器、健康食品は代言人を起用することができません。(『中華人民共和国広告法』第十六条第四項、第十八条第五項)

これらには中国の広告法および、これら商品の広告専門の法律が存在しており、複数の法律によって代言人の起用が禁止されているのです。

なぜなら、90年代。中国でテレビCMなどが大きく発展した時期、多くの芸能人たちがこうしたサプリメントや医薬品の代言人として起用されました。医薬品メーカーたちは、芸能人の影響力で売り上げアップを狙ったのです。

しかし、当時の医薬品メーカーは技術面そしてモラルの面で現在にはまるで及ばず、一部の消費者の健康被害事件も発生しました。そのため国は医薬品の広告に制限をかけ、商品をみず芸能人をみて買ってしまうような消費の誘発を防ぐために代言人の起用も禁止したのです。

医薬品や健康食品以外にも代言人に関する規定があります。さらに厳しいと感じるのが「連帯責任」。自身が代言人として宣伝している商品が、消費者に対して損害を与えた場合(健康や生命に対する危険も含む)は、広告主だけでなく広告取扱者や広告媒体者、そして代言人も責任が問われるという決まりがあるのです。(『中華人民共和国広告法第五十六条』)

そのため代言人も宣伝する商品を見極めなくてはいけなくなります。代言人に起用されると、そのアイドルには一定の契約金が入りますが、そのために追うべき責任もまた大きくなるのです。

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