2021/05/17 ビジネス

日本企業にして中国最大級「育児動画メディア」となったベイビリー これまでの道のりは?

画像:Onedot株式会社

中国は人口が多く、新生児の出生数は実に日本の10倍以上。非常に大きな育児関連市場が存在しています。こうした中、日本発の企業でありながら中国において「育児」という分野で存在感を表しているのが育児動画メディアを運営するOnedot株式会社(以下、ワンドット)です。

すでに中国で1,500万以上のユーザーを抱え、現地では育児や親子領域のメディアとして最大手の一角と評されるワンドットへ取材を依頼。同社CEOを務める鳥巣知得氏にワンドットのこれまでとこれからについてうかがうと、日本企業の中国展開に関するヒントも見えてきました。

なぜ育児メディアだったのか

Onedot
画像:Onedot株式会社

ワンドットは2016年、消費財メーカーのユニ・チャームとボストン・コンサルティング・グループ傘下BCG Digital Venturesによる共同プロジェクトを経て設立。「中国の育児領域」でのプロジェクトがスタートしました。

事業選定に際し、インタビューをはじめとした調査はもちろん、土日には現地の子持ち家庭の方と1日一緒に過ごすこともたびたび。そして、この調査で見えた2つのことが「育児メディア」を立ち上げる動機となったといいます。

「1つ目は現代の育児情報を得る術が少なかったこと。中国はこの数十年、すさまじいスピードで変化してきました。90年前後に生まれた若い親世代とその親世代の状況は全く違う。そのため、親から育児について聞くと時代が違いすぎてあまり参考にならず、時には衝突することもあるそうです。そこで、現代の親世代に近代的で科学的な育児情報のニーズがあると感じました」

「2つ目は親世代のライフスタイルです。中国の若い世代は、SNSや動画サービスなど新しいテクノロジーを使いこなしています。裏を返せば、仮に子育て世代に役立つ情報であっても本や雑誌ではあまり意味がなく、彼らにとって使いやすいものを提供すべきということです。この2点から、育児のオンラインメディアを立ち上げることになりました」

複数のソーシャルメディアで発信する理由とは

こうして立ち上げられた育児動画メディアが「Babily(以下、ベイビリー)」。離乳食の作り方や沐浴方法、早期教育や折り紙など、様々なコンテンツがショート動画を中心に展開されています。

 
画像:Onedot株式会社

コンテンツは、トークアプリ「WeChat」や中国版Twitterといわれる「Weibo」をはじめ、「RED(小紅書)」や「抖音(TikTok)」、「iQiYi」など、40ものソーシャルメディアで発信。一つのプラットフォームに一極集中しないのには、中国市場ならではの特徴が関係しているといいます。

「中国市場の面白い特徴として、主力プラットフォームが入れ替わる点が挙げられます。具体的に言うと、ベイビリーができた2017年当時はウェイボーがショート動画に力を入れていて、2018年に抖音(TikTok)が登場、2019年からWeChatミニプログラムが注目されて…といった具合に常に変化しています。それをしっかりキャッチすることが重要で、私たちもそのときどきで“重点プラットフォーム”を変えています」

ベイビリーのターゲットユーザーは、子育て世帯。年を追うとユーザー層は必然的に「80年代生まれから90年代生まれへ」というように変化していきます。各世代に影響力を持つSNSがその時々によって微妙に異なるという点も、ベイビリーが様々なプラットフォームにコンテンツを展開する理由だといいます。

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