2021/06/09 カルチャー

「四大茶区」とは?茶葉の種類は?中国茶の産地を解説

中国茶の基本や淹れ方が身に付いてきたら、ぜひいつか訪れていただきたいのが中国茶の産地です。中国では広大な大地に「茶区」と呼ばれる地域があり、場所によってはお茶摘み体験やお茶の工場見学もできます。旅行と健康への関心が高まってきた中国では、茶摘みの時期に旅行も兼ねて、家族や仲間と気軽にお茶の産地へ出かける人達が増えてきました。

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茶芸師資格の学習内容にもなっている「茶区」の区分、今回はそんな中国茶の産地紹介です。

四大茶区について

中国茶の産地は、4つの大きな茶区に区分されます。標高、土壌、気候条件といった自然の要素は、茶葉の味わいや特徴にも左右していきます。茶樹は基本的に温暖で湿潤な気候条件がよいため、北部の寒冷地域や西北部の乾燥地域、西部の高山地帯では生育できず、産地は東南部に集中しています。

江北茶区―高級な茶葉が多く生産
山東省、安徽省北部、河南省南部など、長江から北にあたる江北茶区。平均気温が15℃前後と低いため茶葉の生育がゆっくりと進み、お茶の風味が一段と増して美味しいお茶を栽培することができます。
 
信陽毛尖(河南省)や六安瓜片(安徽省)などの緑茶が有名です。また1000年以上の長い歴史を持つ、黄茶の霍山黄芽(安徽省)の産地でもあります。

江南茶区―中国トップクラスの茶産地
武夷山

福建省武夷山桐木关

浙江省や江西省、江蘇省南部、福建省北部など、長江から南にあたる江南茶区。ここには四季があり、平均気温が16〜18℃と高く降水量も多いことから、お茶の種類も多く中国茶のほぼ2/3の量を生産しているといわれています。

銘茶の西湖龍井(浙江省)、碧螺春(江蘇省)などの緑茶が有名です。また、世界遺産にも登録されている「武夷山」の岩場で自生していた茶樹からとれた烏龍茶の岩茶(福建省)や正山小種(福建省)の産地としても知られます。

華南茶区―烏龍茶の発祥の地
広東省や福建省南部、広西チワン族自治区などの華南茶区は、平均気温が19〜20℃で高温多雨であるのが特徴です。豊富な有機質を含む肥沃な土壌に恵まれており、茶樹の生育に適していると言われています。

この地域では、黒茶の六堡茶(広西チワン族自治区)や青茶の鉄観音(福建省)、鳳凰単叢(広東省)など有名な烏龍茶の数々が作られています。

西南茶区―中国最古の茶産地
雲南省西双版納南糯山の茶樹

四川省、雲南省をはじめとした内陸部の西南茶区は、「お茶発祥の地」ともいわれています。亜熱帯気候に属し平均気温は15〜19℃で降水量も多く、茶樹の成長に適しています。樹齢数百年の茶樹が群生する一帯もあります。

プーアール茶をはじめとする黒茶で有名な産地ですが、蜜の甘い香りのする紅茶、滇紅(雲南省)の産地としても有名です。

茶葉に刻まれた物語を知る

浙江省嵊州市

2020年の春に訪れた江南地区の茶園では、お昼になると地域で有名な越劇の音楽が街頭のラジオから流れ、その合図でお茶農家さんたちが休憩をとっていました。そのときに、湧き水で沸かしたお湯で、清涼感のある味と香りのする龍井茶を淹れていただきました。


清代の皇帝である乾隆帝は、龍井茶の美味しさに感動し、杭州で栽培されていた18本の茶樹を皇帝専用に指定したそうで、今でもその場所を見学することができます。

一つの茶葉との出会いは、お茶の産地へと繋がり、その地域の歴史や特色ある物語への理解へと広がっていきます。

お茶の産地の風景や、茶葉に刻まれたお茶の物語に想いを馳せながら、ぜひ中国茶を味わってみてください。また一味違う美味しさに出合えるかと思います。


参考文献:『茶艺师(初级)』(中国劳动社会保障出版社・2007年)

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