2021/05/29 エンタメ

リー・イーフォン主演でリメイク!中国版『カイジ 動物世界』は万国共通で楽しめる「賭博黙示録」だ

(C)福本伸行 (C)Ruyi Films & Fire Dragon Guo. All Rights Reserved.

アニメや実写映画にもなった福本伸行氏のマンガ『賭博黙示録カイジ』。このシリーズ累計2,150万部超えの人気作品が海を渡り、中国でリメイクされているのをご存じでしょうか。今回は、圧巻のスケールで描かれた2018年製作の中国映画『カイジ 動物世界』をご紹介します。

【画像】アンダーソン役を務めたハリウッド俳優のマイケル・ダグラス

原作とオリジナルが混ざったストーリー

ストーリーは、おおよそ原作に基づいたものになっています。定職につかず自堕落な生活を送るカイジはある日、友人に騙され借金を負うことに。そんなカイジのもとにギャンブル船「ディスティニー」へ乗り込む話が持ち込まれます。ディスティニー号には借金を帳消しにするチャンスが与えられると聞き、カイジは病気の母と大切な幼馴染に会いに行った後、この船に乗り込みます。

そこではカード12枚を使った「限定ジャンケン」が繰り広げられ、勝てば借金は帳消し、負ければ命の補償はないという。カイジは果たしてこのゲームに勝ち抜き、無事船を降りることができるのか――というのがストーリーの大枠です。

「ジャンケン」だけのストーリーに引き込まれる

本作は、カイジの世界観をスタイリッシュに深化させたものだと感じます。

日本の実写映画『カイジ 人生逆転ゲーム』を観ると、「限定ジャンケン」だけでなく、様々な試練のほか、利根川との一騎打ちも描かれており、盛りだくさんの内容。一方で、中国版カイジである本作では一貫してディスティニー号での「ジャンケン」のみでストーリーが展開されます。 

とはいえ、物足りなさなどは感じず、むしろ単純明快な「ジャンケン」ゲームだからこそ、その攻防にひきつけられます。

ヒーロー感すら漂うカイジの物語

日本版とのもう一つの大きな違いは、本作がカイジという個人にフォーカスされた内容だということ。本来は「ダメな負け組」感の強いカイジですが、作中では病気の母や大切な人の存在が描かれており、お金がなければ周囲の人を守れないということが、カイジを突き動かす原動力になります。カイジの内面が描かれ、半ばヒューマンドラマのように描かれているのです。

ひょっとすると原作ファンにとっては賛否両論なのかもしれませんが、原作を忠実に描いたところで、中国の観客にスッと理解してもらうことは難しかったのかもしれません。

また、日本版での利根川にあたるアンダーソン役にマイケル・ダグラスを起用している点を見ると、この作品は海外での展開もあらかじめ視野に入れていたとも考えられます。カイジの頭に住む「ピエロ」も、万国共通のぶきみさを植え付けるのに一役買っています。

そのため、原作どおりにダメ人間が一発逆転のゲームに臨むのではなく、「守るべき何かのためにダメな自分が立ち上がる」という、ある種のヒーロー物語のような描かれ方がみてとれます。そういった観点からみると、原作へのリスペクトを示しつつ、世界に通用するストーリーへ深化させた作品だと感じます。

原作を知らない人にもおすすめ

カイジ役には、中国の人気俳優リー・イーフォン。ディスティニー号を仕切るアンダーソン役にマイケル・ダグラスを起用した豪華キャストは、もちろん見どころの一つ。総製作費70億円で、CGスタッフに総勢150人が参加、ド迫力のアクションシーンも追加されたという本作。そのクオリティは、原作ファンの方にはもちろん、カイジの世界観を知らない方にもおすすめできる中国映画だと思います。

(C)福本伸行 (C)Ruyi Films & Fire Dragon Guo. All Rights Reserved.

カイジ 動物世界
原題:動物世界 Animal World
監督・脚本:ハン・イエン 『メモリー First Time』
原作:福本伸行「賭博黙示録カイジ」(講談社)
キャスト:リー・イーフォン、マイケル・ダグラス、チョウ・ドンユィ、ツァオ・ビンクン ほか
2018年/中国/130分
DVD価格:4,290円 発売中
発売元:「カイジ 動物世界」製作委員会
販売元:ハピネット・メディアマーケティング
(C)福本伸行 (C)Ruyi Films & Fire Dragon Guo. All Rights Reserved.

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