2021/06/03 カルチャー

豪華旅行からの大転換 ?中国の若者に広がる「キャンプ」という旅行の新潮流

写真:PIXTA


豪華旅行から素朴なキャンプへ、ニーズの大転換

日本の場合、キャンプという旅行形態は以前からありました。ブーム・非ブームの別にあったにしろ、いつの時代も愛好者が存在していたものです。

しかし中国では、これはまったく新しい旅行形態です。

特に経済発展を遂げたあとの旅行は、主にリゾート。高級ホテルに有名な観光地、有名レストランでの食事などがメインでした。そうしたものにお金を使って「非日常」を味わうのですが、それには快適な設備環境が必要です。

ところがキャンプは違います。こうした「箱もの」の旅行ではなく、テントの設営から食事の用意まで基本的にはすべて自分で行なうもの。泊まる場所も簡素なテントや寝袋といったもので、これまでの「5つ星ホテルのベッド」とはまるで違います。

しかし現在の若者は、こうしたキャンプグッズに惜しまずお金を使っている様子。

前述した「CBNData」の記事では、「キャンプ愛好家は最初こそ数十元のテントから始まりましたが、徐々によりよいものを求め、ステップアップしていった」と伝えています。

「CBNData」の取材に対し、愛好家は「自然のなかで新鮮な空気を吸い、ゆっくりと思考にふけったり本を読んだりするのが楽しみ」と語っていますが、おそらくは生活リズムが極めて高速で、1日のうちに数多くの業務をこなす大都市居住者にとって、何にも縛られずに、ゆったりした時間を過ごすことが贅沢となっているのかもしれません。

小紅書を見てみると「露営装備」という名前でキャンプ用品が数多く投稿されています。そこには1人用のものから5,000元(約85,000円)近くするテントなどが投稿されており、キャンプにはまった愛好家が“投資”を惜しまない様子が垣間見えます。

こうした中で、中国でも徐々にキャンプ場開発が熱を帯びてきているようです。これまでの観光の主流は、前述のように観光地、リゾートでした。そのためには大きな設備投資がなくてはならず、さらには他の土地から訪れた人たちが喜ぶスポットがなくてはなりませんでした。例えば、古い街並みの「古鎮」。兵馬俑のような「遺跡」、西湖のような「文化的風景」などです。

しかしキャンプにはそうした観光資源は必要ありません。究極にいえば「キャンプをしてもいい」場所と道具さえあれば、それでいいのです。中国の記事を見るにつけ、開発されている中には、単に広い場所を確保するだけではなく、上級者向けのキャンプ場やグランピングに近い高級キャンプ場まで、さまざまな計画が進行しているようです。

期せずして日中双方で現れたキャンプブーム。今後は両国のキャンプ交流などということも起こりうるかもしれません。

参考記事
CBNData(https://www.cbndata.com/information/169608)

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