2021/06/04 ビジネス

TikTok運営の「バイトダンス」ゲーム事業へ急加速 その戦略と勝算は?

写真:PIXTA

「『放置少女』の会社がバイトダンスに買収されたらしい」2021年に入り、「Bytedance(バイトダンス)」のゲーム事業に関するあわただしいニュースが続いています。

バイトダンスというと、世界的にも若者を中心に支持を集めているショート動画プラットフォーム「TikTok」の運営企業として知られています。ゲーム事業に関する動きはこれまでもあったものの、2021年に入りその動きが急加速しています。

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2019年より始まったゲーム事業への注力

同社ゲーム事業の一つの転機となったのは、2019年の「Mokun Technology」の買収です。これを機に同社はカジュアルゲームを中心に一定の成功を収めることになります。

ここから約2年、2021年3月には『モバイル・レジェンド: Bang Bang』(以下、モバイル・レジェンド)のMoonton、4月には日本でもCMで見かける『放置少女〜百花繚乱の萌姫たち~』(以下、放置少女)のC4gamesを買収したとロイターや中国現地メディアが報じています。

買収企業から見えるバイトダンスの戦略

バイトダンスがこのほど買収した2社はどのような企業なのでしょうか。

『モバイル・レジェンド』は日本では知名度が低めですが、eスポーツとしても人気があるMOBAジャンルのゲームです。同タイトルがローンチされた2016年は、中国国内ではすでにテンセントの『王者栄耀(Arena of Valor)』が圧倒的な地位を確立していたものの、海外展開は本格的に行われていませんでした。その時期に中国を除外し、海外市場で勝負していたタイトルが『モバイル・レジェンド』です。インドネシアやマレーシア、シンガポール・フィリピンといった東南アジアを中心に人気を博すタイトルです。

中国国内で圧倒的な人気を誇るテンセントのモバイルMOBA『王者栄耀(Arena of Valor)』はタイやベトナムなど東南アジアの一部の地域では人気を誇るものの、東南アジアで最も成功しているモバイルMOBAは『モバイル・レジェンド』だといえそうです。

次に、先日買収された中国企業「C4games」が展開する『放置少女』について。App Annieのデータによると、6月4日時点で『放置少女』はiOSの売上げランキングでは25位、GooglePlayでは11位と、際立った成績とまではいえないものの、一人当たりの課金額が高いといわれる日本で一定の成功を収めているタイトルといっていいでしょう。そしてこの『放置少女』もテンセントの影響力が及んでいない放置系RPGなのです。

こうしてみると、バイトダンスはテンセントやネットイースといった中国大手ゲーム企業が市場で手薄になっているジャンルを部分的に埋めていくように企業を買収している様子です。ある国や地域の特定ジャンルをおさえていくという戦略なのかもしれません。

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