2021/06/10 ビジネス

中国の消費者が「海南島」免税ショッピングに向かうそのワケは?

写真:PIXTA


国内で免税ショッピング!海外に行かずにお得な商品を

2020年6月末に、中国政府からある発表がありました。それは「海南省離島免税の拡大」。

海南省内には2011年から「離島免税」という特別な免税制度が施行されており、中国の国内観光客が免税でショッピングができる場所となっていました。これは、中国国内でも発展が遅れた海南省を観光地として盛り上げようとする中国政府の計画で、中国国民がフライトチケットなど「観光で来ていること」を証明できるものを見せることで、空港の免税店と同様の待遇が受けられるというもの。

その制度が、2020年7月1日から拡大されたのです。もともと免税で買い物ができる額は、1人年間3万元(約51万円)に設定されていましたが、10万元(約170万円)に引き上げました。また免税品の対象となる商品類も38品目から45品目へと拡大。人気のiPhoneを含む海外のスマートフォンも免税対象に。さらに免税の条件には「単価8,000元(約13万6,000円)まで」との規定もありましたが、それも撤廃。貴金属アクセサリーなどの高額商品も免税対象となったのです。

それによって「海南免税」は、一気に人気の的に。

中国からの観光客、といえば「爆買い」を思い浮かべる人も多いかと思います。中国国内で売られている輸入商品は輸送料や税がかけられているため、商品の本国と比べるとお高め。そのため例えば日本に来た時には、日本国内の価格は中国国内で売られている同じ商品でも非常にお買い得に見え、爆買いへとつながるのです。

しかし新型コロナウイルスによって、海外への渡航が難しい状況に。お得にショッピングができる格好の場所・海外という道が閉ざされてしまいました。そこに現れたのが「海南島離島免税の拡大」だったのです。

現在、海南省の海口市や三亜市には複数の免税店がオープンしています。なかでも「三亜国際免税城」は、その総建築面積は12万平米、売り場面積も7万平米と非常に巨大。中国のSNS「小紅書(RED)」には「お得な海南島免税のショッピングの仕方!」などのノートが多く投稿され、夏休みシーズンさらに海外旅行もできないとあって、数多くの観光客が訪れました。

日本で見られた爆買いが、海南島で再現されたのです。


海口海関(海口市税関)「海南離島免税買物統計表」より作成

海口海関(海口市税関)が公表している「海南離島免税買物統計表」を見ると、制度が拡大された2020年7月は約24.87億元(約422億7,900万円)だった購入金額が、2021年3月には約52.47億元(約891億9,900万円)と大きく成長しています。

中国のメディア「海南日報」が2021年6月6日に報じた記事では、海南省の経済政策で自由貿易港建設計画『海南自由貿易港建設総体法案』が発表された2020年6月1日から7月の制度拡大を経て2021年の5月31日に至るまでの離島免税消費総額は、455億元(約7,735億円)と、前年同期比で236%増加したことを伝えています。

南国のビーチリゾートに免税でのショッピング。中国消費者に支持される海外観光要素が2つそろった国内スポット海南島。今後の動向が気になります。

※1元=17円で計算

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